内容説明
「では、明智小五郎権刑部卿。良き報せを待っている」帝の新たな命により、行方不明となった陰陽師の捜索にあたるべく堺を訪れた明智卿と安倍天晴。堺には納屋衆という商人たちの組合があり、それぞれ大店では上級陰陽師を抱えている。消え失せたのは人望も厚い熟練の陰陽師・土御門。錯綜する証言を前にさしもの明智卿も困惑する。いっぽう京では、若い娘と老人の骸が相次いで盗まれていた。堺と京、商いと政の中心地でそれぞれ発生した奇怪な事件は、やがて思わぬ場所で交錯する。魔術の発達した世界の犯罪に、名探偵と陰陽師が挑む本格ミステリシリーズ、待望の続編登場!/解説=松浦正人
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
61
明智卿シリーズの第2弾。魔術が存在する世界線、黒魔術VS探偵に推理対決が楽しめる1冊。失踪した陰陽師の捜索を帝に依頼された明智卿。陰陽師の安倍天晴と共に堺を訪れるが錯綜する情報に戸惑うばかり。その頃、京の都では死者の骸が盗まれる不思議な事件が立て続けに発生。それぞれの事件が思わぬところで交錯し奇妙で不穏な展開へと繋がっていく。商人の街・堺の活き活きとした描写とひとクセとふたクセもある登場人物たち。彼らと明智卿のユーモアたっぷりの言葉遊びも楽しかった。2025/05/30
さつき
53
2作目は堺が舞台。またまた言葉遊びが散りばめられ楽しく読みました。前作からそう繋がるとは思いませんでした。3作目も出るようで、読むのが待ち遠しいです。2025/05/17
ち~
21
上級陰陽師の失踪と盗まれた老人や娘の骸の謎。前作より陰陽師の術による派手さは控えめだが、さまざまな要素が複雑に絡み合う背景を解きほぐす、明智卿の緻密な捜査と推理が際立つ巻だった。次の巻では天晴の活躍がもっと見たい。2025/05/09
にぃと
5
相変わらず独自の世界観、そしてクスッとくるものや細かいネタも多く元ネタを考えながら読むのもこの寄り道の中で何が本筋に繋がっていくものか考えながら読むのも楽しい。前巻との繋がりが明らかになる場面もあり、この巻で起きた事件については一区切りついたものの、個人的にはなんとなく不完全燃焼感ある決着。次回作の構想もあるらしいし是非とも期待したい。2025/05/03
宇治金時
0
独特の世界で意味わからんとこもあるけど、面白い。続きも楽しみ。2025/05/22