創元推理文庫<br> 空耳の森

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創元推理文庫
空耳の森

  • 著者名:七河迦南【著】
  • 価格 ¥946(本体¥860)
  • 東京創元社(2025/04発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488428136

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内容説明

まだ早い春の日、思い出の山を登るひと組の男女。だが、女は途中で足を挫き、つかの間別行動をとった男は突然の吹雪に襲われる。そして、山小屋で彼を待つ女に忍び寄る黒い影――山岳を舞台にした驚愕のサスペンス「冷たいホットライン」、両親に置き去りにされた孤島で生き抜こうと奮闘する幼い姉弟の運命を描く「アイランド」、海に臨む児童養護施設で噂される、謎の声が聞こえる空き家の秘密が明かされる表題作ほか、トリックと物語の融合で読者を魅了し続ける気鋭が贈る、一編一編に異なる技巧を凝らした9編を収める本格ミステリ短編集。/【目次】冷たいホットライン/アイランド/Its only love/悲しみの子/さよならシンデレラ/桜前線/晴れたらいいな、あるいは九時だと遅すぎる(かもしれない)/発音されない文字/空耳の森/解説=末國善己

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いちろく

24
文庫版での再読であり忘れている設定もあるので、今回はネタバレサイトなどを利用して時系列や関係性を一つ一つ確認しながら。シリーズ最終巻であり本書のラストも踏まえて、改めて前二作のボーナストラックのようにも思えた短編集。時系列がバラバラな点も、読む側が話の流れを組み立てていくパズル的要素もあり楽しい。惜しむらくは、本書から手に取るシリーズ未読の人には「?」が浮かぶ内容もあることと、単行本から文庫への刊行までひと回り以上の年月が経過している点。やっぱり立て続けにシリーズ一気読みが良いな、と久々に読んでも思う。2025/04/27

ユメ

15
収録されている九つの短編は、一見どれも日常を巧みに切り取った小説であるかのように思われる。だが、読み進めて行くと、突如として上質なミステリに変化するのだ。作者が凝らした技巧に物の見事に騙されていたのだと気付かされる瞬間の爽快感は癖になる。そして、独立しているかと思われた九つの短編は、一つの大きな物語へと収束してゆき、最後を飾る表題作で美しくまとまる。それがあの七海学園の現在の物語なのだと分かった瞬間、驚きと感動に震えた。『七つの海を照らす星』と『アルバトロスは羽ばたかない』を読み返したくてたまらなくなる。2025/06/08

オヤニラミ

13
前二作の七海学園の現在へと繋がる物語。九編からなる独立した短編集であるが登場人物の繋がりが複数のストーリーに散りばめられ、時系列はと言うと…整理できずに😅読み進めました。全体的にほの暗く優しい独特の雰囲気の中にもしっかりと伏線回収がありますが、登場人物達のあだ名や名前を捉えきるのに苦労します。最終編ではそれぞれの複雑な人生にも希望を抱き進んで行く今後が垣間見える綺麗な収束でした。2025/05/20

huraki

9
とある森へ訪れると発作により急死した女の子の声が聞こえる不思議な現象を題材にした表題作を含む短編集。子供たちを中心としたミステリの結末は鮮やかで甘美かつ時に残酷に着地する。複雑な家庭環境を描く「悲しみの子」と、前作との繋がりを感じさせる後半2編がお気に入りだ。2025/05/17

elf51@禅-NEKOMETAL

9
連作にはなっていない短編集。ちょっとピンと来ないなぁと思ったが,「さよならシンデレラ」-「桜前線」は考えさせられる話になっている。最後は前作の七海学園を舞台にした「空耳の森」で収束する。このふんわりした読後感は,あぁ,七河河南だなと。日常のちょっとした謎を解くという小説は好きじゃないけれど,「七つの海を照らす星」,「アルバトロスは羽ばたかない」は名作だった。2025/05/05

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