内容説明
国名も位置も分からない未確認隣接国家〈UNC〉の侵略で、「交戦状態」となったこの国。2年間続く戦争に人々は飽き飽きし、数字だけで伝えられる戦況を他人事のように感じていた。海岸の漂着物を確認するという徴集業務に従事するユイも、そんな「日常」を送る1人。ユイの目的はただ1つ、両親の形見に刻まれた謎の文字を解明し、幼い頃失った記憶を取り戻すことだ。その文字の記された漂着物を拾い集める男性、文字と同じ言語の歌を歌う少女らと交流を深めながら、その秘密に迫ろうとするユイだったが――。
みしらぬ敵、みしらぬ文字、みしらぬ歌、みしらぬ戦争。全てが繋がるとき明らかになる、戦争の“真実”とは?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケンイチミズバ
74
となり町戦争で感じたシュールで概念的な怖さ新鮮な驚きを全く感じない。見えない敵による攻撃は権力による国家規模のフェイク。何のために国民を欺いてるのか、謀略の目的が弱く安っぽい。戦時下であれば自粛し委縮する民意を統制しやすい、誘導しやすい、従順に躾けやすい。ただそれだけのため。衛星で探知されないミサイルなどあるわけがない。自衛隊による空の見張りが存在しない、在日米軍基地もない架空の日本という設定なのか。にしても情報収集にあたる外国の出先機関や海外に支社や支局がある大企業や報道機関などはどうなってるの。(笑)2025/03/28
えも
34
三崎さんの最新作▼正体不明の敵国から侵略を受けるこの国。しかし国民は厭戦状態に陥っており、国は状態打破のため敢えて敵国の攻撃を過大に偽装している。一方、海岸に正体不明の文字が書かれた漂着物が届く中、見知らぬ国に思いを寄せる人々もいた。それが実は…▼物語は何度もひっくり返され、それがいかにも三崎さんらしく魅力的。でも硬質で抑制の効いた魅惑に溢れた「となり町戦争」時代の著作に比べ、SNSやAIが台頭する今の世の中にあっては、結末が有りがちでウェットになってしまうのは、やはり仕方のないことなのだろうか?2025/04/20
Mumiu
31
となり町のときも面白い!と思ったけれど、今回は何しろ相手国が存在する⁈わけで、範囲が広がっている。対外的に「戦争」という言葉が使えない「非平和」。敵国UNCと第三国ミシラヌ。没落旗族と不起族、ここらへんの語句が三崎節全開で楽しい。展開はオセロのようにパタパタ翻り終局する。ソラさんの歌が聴きたいなあ。2025/06/10
menoruka
24
久しぶりの作者の新刊。となり町戦争から20年ぐらいでしょうか。社会の様子がうんと変化した今の三崎さんが作り出すあるかも知れないもうひとつの日本。ミシラヌ語を聞いてみたい。2025/06/21
ぜんこう
22
「となり町戦争」みたいなのかな?と読み始めたら規模のデカさが全然違う。三崎亜記さんにしては珍しく(?)、コロナ禍だったり身近な日本が陥りそうな世の中に思えて恐ろしい。未確認隣接国家(UNC)からの攻撃やミシラヌという謎の国や言葉。流されやすい国民性とか自粛警察とか、日本の危うさ満載(?)でした。2025/05/08




