オール電化・雨月物語

個数:1
紙書籍版価格
¥1,980
  • 電子書籍
  • Reader

オール電化・雨月物語

  • 著者名:青柳碧人
  • 価格 ¥1,699(本体¥1,545)
  • PHP研究所(2025/03発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784569858821

ファイル: /

内容説明

「白峯」「菊花の約」などで知られる上田秋成の古典「雨月物語」を下敷きにし、近未来を舞台に人間の業と怪異と家電(?)を描いた不思議で恐ろしい九つの短編集。 ・大企業「シラミネ」の経営者はデジタル遺影を片手に亡き祖母の思い出を語りはじめ……(「シラミネ」) ・オンライン空間「Kikka」の中で出会ったアカナと共に、ゲームの世界大会を目指す祐介だったが……(「キッカの契り」) ・見合いの席で、正太郎はから古めかしい炊飯器を見せられる。その炊飯器には曰くがあるようで……(「キビツの釜」)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

212
青柳 碧人は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は、著者版令和雨月物語、今回はシリアスな連作短編集でした。オススメは、「シラミネ」&「ブッポーソウ」&「アサヂが宿」です。 https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-85882-1 3月は、本書で読了です。2025/03/31

ちょろこ

129
雨月物語を近未来に引っ越しさせたような一冊。さすが青柳さん。雨月物語に疎くても近未来の家電を絡ませた9篇はどれもさまざまなテイストで楽しませてくれた。一話目の「シラミネ」から、デジタル遺影といういかにもあり得そうな近未来を差し出されながら江戸時代から引っ越してきた雨月物語を読んでいるような感覚。そこから次々と人の夢の結晶のような家電の登場とちょっとゾッとくる人怖ホラーがぞろぞろ。人の業は永遠不滅。これだけは家電でもどうにもこうにもできない皮肉さもいい。せつない読後感がたまらない「キッカの契り」が一番好き。2025/04/24

mint☆

91
雨月物語。ちゃんと読んだことがなくざっくりとした概要しかわからない。「吉備津の釜」だけ読んでみてからこちらを読みはじめました。読まなくてもほとんど別物なので楽しめますが、読んでいるとその変わり様も楽しめそう。時代はちょっと近未来。今この時代にはない電化製品(?)とちょい怖と不思議さがミックスされた9つの短編集。主はヒトコワ系だけどちょっと感動もあったり話に繋がりがあったりで色々と楽しめます。暑い日でも快適に外出できる冷却スーツのアオズキン、欲しいな。オシャレではなさそうだけど。#NetGalleyJP 2025/03/17

タイ子

90
雨月物語にちなんで近未来の出来事を描いた怖くて不思議な物語集。9編のうち何作かは読んだことがあるけど知らなくても楽しめる。ま、雨月物語に造詣が深ければもっと楽しめるかも。数百年前の物語にちなんで近未来の話に持っていくなんてさすがです。地元に伝わる「吉備津の釜」が炊飯器に変わろうとは。浮気男がしでかした結末がこれまた無惨なり。かと思えば、入院中の男が見た夢に登場した殺人犯、アリバイと目撃者となる怖くはないが不思議な話もいい。最終話で前出のものが再登場も面白い。人間の業と欲は時代を超えても絡みつくのね。2025/09/01

ひさか

88
WEB文蔵2023年8月〜2024年6月掲載のものに加筆修正し、2025年3月PHP研究所刊。シラミネ、夢応のリギョ、ブッポーソウ、アオズキン、蛇性のイン、キッカの契り、ヒンプク論、キビツの釜、アサヂが宿、の9つの短編。雨月物語の全9編をなぞってあるのが努力賞もの。オール電化には少し無理もある。ドタバタ感も多いが、怖さも見えて、怪作というところか。2025/04/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22454869
  • ご注意事項

最近チェックした商品