内容説明
自然豊かな小さな大学を舞台に起こる動物と人間をめぐる事件を、人間動物行動学の視点で描く。学長就任にともない、先生最後の参加となった「ニホンモモンガが棲む森の生物調査実習」で目撃したニホンモモンガの珍しい行動や、幼い頃に飼っていた愛犬トムとのエピソードなど、今回も動物への気づきが盛りだくさん。
目次
はじめに
私の心に棲みつづけるイヌの話
トムは私のことを許してくれたのだろうか
街で暮らしはじめた鳥の話
ヒトと野生動物との共存のあり方とは………
泳ぐニホンモモンガ、交尾するシマヘビ、ヤマメの胃のなかの甲虫
なかなか面白かったよな。たぶん最後の調査実習
海でイルカの遺体を見つけた話
「ミールワーム→ハエの幼虫→ダンゴムシ・ワラジムシ?」
読んでいただければ意味がわかります
モモンガグッズをめぐる、おもにヒトの話
Tkさんのことと、ゼミ生Ftさんの油絵バージョン
キャンパス林のビオトープで毎年起こること
サンインサンショウウオが産卵しトノサマガエルが泳ぎ………
毒ヘビの出現は今年が初めてだったが
先生、学長になるんですか!
ニホンモモンガたちとの別れ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
52
小林先生のこのシリーズは、ただただ面白い。面白いだけでなく、へえ~なるほど・・も多い。大学名に「環境」の2文字があるくらいで、その意味する範囲もとても広い。仮に生物そのものから始めるとしても、生物が住む環境自体へと、自然と視野が広がる。と、さらに興味が湧く。それを後押しするのが、先生の生き方でもあり文章でもある。昨年、鳥取へ行った時に、寄ってくれば・・・・と。2025/04/05
ミキ
11
2025-41:小林先生は学長になられたのですね!もう授業は持たれないとのこと、とても寂しいです。このシリーズは終わらないようなので次巻も楽しみにしています。2025/05/12
七月せら
9
10年以上前の卒業研究で作られたビオトープが今も生き生きと森の命を育んでいたり、初めてモモンガに出会った日から15年もの時を経て最後のモモンガを森に返す日の出来事だったり、そんな、昔と今が確かに繋がっている(その間にももちろんたくさんの物語がある)エピソードが多く、感慨深かったです。小林先生が学長になられた(おめでとうございます!ご苦労も多いことと思いますが、先生の想う素敵な大学を創っていってください!)ということも関係しているのかも。私も、小林先生の授業を受けてみたかった…!2025/02/13
毒まんじゅう
6
今回も学生さんの研究や身の回りで起きた生き物たちの記録を楽しく紹介しています。学長になるにあたって葛藤や諦めたこともあったのではないでしょうか。先生のケジメを感じ最後は泣きました。2025/08/13
アカショウビン
6
鳥取環境大学の名前は知っていたが、こんな先生がいるなら私が行きたい。(無理だけど)「作物に被害を与える野生動物を、その地域から一掃してよいか?」こんな深刻な問いかけに対する考察に始まり、つまりは様々な生き物(昆虫、小動物、地域の人間)が好きで好きでたまらん人々(先生と学生)の物語だ。赤色で威嚇するアカハライモリ、ヒキガエルがつくった毒をもつヤマカガシ、泳ぐモモンガ(モモンガはスギを食べるがナラやブナも必要。植物が自衛のためにもつ毒から守るため。)、イルカの親戚としてのヤギ、マムシとのコミュニケーション。2025/02/08




