筑摩選書<br> 虚構の日米安保 ――憲法九条を棚にあげた共犯関係

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筑摩選書
虚構の日米安保 ――憲法九条を棚にあげた共犯関係

  • 著者名:古関彰一【著者】
  • 価格 ¥1,925(本体¥1,750)
  • 筑摩書房(2025/03発売)
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  • ISBN:9784480018175

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内容説明

そもそも日米安全保障条約は虚構であった。1960年の日米安保改正での岸首相とダレス国務長官の非公式合意が、今日も変わることなく継続している。日米地位協定、核密約、憲法九条の棚あげ、安保条約を再定義した日米安保共同宣言、そして日米政府間協議の実質的な最高権力化……。本書は歴代内閣と米国による日米共犯関係の戦後史をえぐり出す一方、米国の戦後一貫した安全保障政策、同盟国・米国と日本との信頼にズレが生じつつある実態を解明する。 【目次】序章 日米安保と日本国憲法/第一章 日米、異なる安保構想/第二章 被爆国にとっての核の安全保障/第三章 日米軍事一体化と憲法九条/第四章 「セキュリティ」──原点と変遷/第五章 地殻変動期に入った日米安保/終章 立憲主義の復権を目指して

目次

序章 日米安保と日本国憲法/水と油/米国が驚いた日本政府の「奥の手」/「静かな政変」/同盟からネットワークの「抑止戦」へ/第一章 日米、異なる安保構想/日米安保条約の本質とは/最後の陸軍大臣・下村定「新自衛軍構想」/岸信介の改憲発言/下村と岸に共通する「国民精神の作興」/沖縄の犠牲の上の平和/米国のアジア・太平洋安保政策/アジア・太平洋の中の日本/米軍の統一指揮とは/日米行政協定の非公式交渉/「協定」より「協議」へ/新たな米国案/吉田首相の口頭密約/米国側の不安とこだわり/押しつけ安保/米軍基地は治外法権/在日「米軍人・関係者」の特権/米軍人による刑事事件/行政協定か行政執行協定か/大平三原則/日米行政協定に法令番号はなかった/憲法改正は可能か/ダレスの皮肉/憲法九条を棚あげして、政府間協議を/岸の「二段構え」提案は本当か/砂川事件と最高裁判決/日米の共同犯罪/非公開文書、一三・五%/日本の「ない、ない」政策/「ない、ない政策」の裏で進んだ軍事力強化/密約を背負った大平首相の苦悩/日米安保体制からの脱却案/小林直樹の「違憲合法論」/国民的関心の低下が進行させた違憲合法/第二章 被爆国にとっての核の安全保障/核開発の栄光と不安/揺らぐ原爆投下の正当性/大統領への警告/政治の中の原子爆弾/佐藤栄作「核四原則」/非核三原則の詭弁/沖縄返還と核密約/密約を軽視する危うい政治/政府の報告書は「密使」が書いたか? /小国からの非核化/非核化と相互安全保障条約/連帯すすむ非核化──ASEAN、南太平洋諸国/中央アジアの非核化/核の倫理的批判から違法化へ/個人や非政府組織から国際的法規制へ/声を上げた米国の「長老」たち/「オバマの悲劇」と被爆者/非人道的な兵器を制限する国際社会/第三章 日米軍事一体化と憲法九条/村山富市首相の「日米安保堅持」/条約改正なき再定義/条約改正なしの共同宣言/仮訳のままの共同宣言/ガイドライン「基本的な前提及び考え方」の変遷/拡大する周辺と事態/再び出現した「指揮」問題/「作戦」か「活動」か/「難民」か「避難民」か/「難民」受け入れ後に「避難民」制度を創設/PKO参加の条件/自衛隊員を混乱させた「指揮」と「指図」/PKOの実態を隠蔽した行政/多国籍軍の指揮権問題/日本の立場と米英の本音/吉田密約との違い/「統合」と「統一」の違い/問題の本質を見誤った議論/政治的な「例外状況」/ナチスと例外状況/日米同盟、いまだ仮訳中/「日本独自の指揮権」の現実/日米一体化とは何か/日本政府見解の明らかな矛盾/米軍側のメリット/日本の司法は指揮権をどう見てきたか──最高裁「砂川事件」判決/内外両面からの「日米一体化」/第四章 「セキュリティ」──原点と変遷/「安全保障」の起源/日本語の「安全保障」/安全保障の反対語/安全保障の発見/カントの平和論/安全保障と平和/安全保障と社会保障/社会保障の分裂/日本での社会的安全保障(社会保障)/米国にとっての安全保障/米国の国家安全保障/国家安全保障──概念としては脆く、政治的には強い/変化し始めた日米同盟/戦争はできても、勝利者がいない戦争/日本的「人間の安全保障」/マイナンバーは、国家安全保障制度/再検討の時代に/第五章 地殻変動期に入った日米安保/言葉が生み出す政治力/生活者の言葉としての憲法/学ぶべきは「強いアメリカ」ではなく「アメリカの強さ」だ/日韓米三国による連携/岸田・バイデン会談──日米同盟からネットワーク安保へ/統一指揮から日米連合司令部へ/インド太平洋軍の組織改編/張り子の軍事大国・日本/尖閣諸島についての米国の立場/ネットワーク安保の下での日本の主権/日本の主権と独立性/終章 立憲主義の復権を目指して/最高法規としての憲法/「九条棚あげ」で失ったこと/立憲主義の喪失/岸信介は生きている/安保五条の下での憲法九条の改正/「抑止戦後」の日本/侵略なき八〇〇年の歴史/「カミカゼ」は今、自衛隊とともにある/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kurousagi

1
本書の感想ではないけど参院選直前なので言いたい!ヘイトが言う在日特権というのは、在日米軍家族が優遇されている日米地位協定のことだ。外免取得が簡便なのは、米軍家族の特権を覆い隠すためだ。日本の土地を一番買っているのはアメリカ人だ。それが米軍ด็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็็家族だったら税金も払っていない。在日外国人が国民の税金を食い潰しているといわれているが、桁違いに搾取しているのはグローバル企業の日本支社だ。自民党はグルだ2025/07/16

Go Extreme

1
日米同盟がいまだ仮訳中 内外両面からの日米一体化 安全保障という言葉の起源と意味 条約改正を伴わない政府間協議 棚上げされた憲法九条 日本の司法権の制約 国民に知らされないまま重要な決定 指揮と指図の違い 口頭密約 日本の独自指揮権の空洞化 日米の軍事的一体化 指揮権の所在の曖昧さ 多国籍軍の指揮権問題 安全保障の概念が拡大・変質 国民の生活基盤の安定 戦力不保持や戦争の放棄 専守防衛という概念の形骸化 非核三原則とその空文化 対米従属の構造 沖縄の基地問題 憲法九条こそが戦争予防策 立憲主義の回復2025/04/10

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