内容説明
御手洗潔シリーズ書き下ろし長編。伊根湾に「龍神」が出たという噂を受けて、石岡は伊根に赴こうとするが、御手洗はなぜか驚いて行かせまいとする。「大怪我するよ」と。その後の大事件と御手洗が伝えた「昏い真実」に震撼する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
358
石岡君登場とのことで、僅かな期待を捨てきれず購入。結論からいうと大失敗。ついにここまで劣化してしまったかと哀しくなる出来。御大の劣化に加えて、作中の石岡君、というかもう君付けしていいような年齢ではないのだが、彼がただの何も考えていないお年寄りになっている描写がただただ切ない。本筋に関係ない内容を会話文のリレーだけで延々と続け、「そうなんだー」とか間の抜けた語尾伸ばしを多用し、我慢して読み終えてみたら結局本格ミステリではなく、かといって何のジャンルかときかれても、色々中途半端すぎて明確に定義できない有り様。2025/04/20
パトラッシュ
160
『ローズマリーのあまき香り』が信じ難い駄作だったので用心しつつ読んだが、今回も期待は裏切られた。石岡さんが女子大生に拉致られて伊根へ向かう経緯がハチャメチャだし、現地での展開は濫用といえるほど偶然の出会いだらけ。北朝鮮の対日スパイ工作を絡めているが、肝心の公安警察が全く登場しない不自然さ。80年前の旧軍の遺産が簡単に動き、米軍ではなく日本が加盟していないNATO部隊が活動するなどツッコミどころ満載なのだ。しかも御手洗潔が国際政治の舞台裏で暗躍とは、もはや呆然とするばかり。島田荘司は作家を引退すべき時では。2025/05/22
hirokun
79
★3 最近話題になることが多い伊根湾を舞台にした推理小説??読み易い文章で物語の展開もシンプルで分かり易いのだが、これだけのページ数を使って表現する作品だったのだろうか?島田さんは初読みの作家さんだが、今後はたぶん読まないだろう。2025/04/23
オフィーリア
60
御手洗潔シリーズ最新作。率直に言うとかなり残念。伊根湾に巨大海洋生物を追うという掴みは良かったけれど、特に本筋に関係しない冗長かつ単調な会話の応酬が延々と続く様は中々辛かった…。老年に差し掛かった石岡くんの心境を描いたシリーズの一作品として楽しむべきだった2025/05/03
maxseki
54
面白いか面白くないかはもはや二の次。御手洗シリーズの新作が読めるだけで幸せなのだ。冒頭でまず幻想的な謎を打ち出し、解決はあくまでも論理的に・・・という著者お得意のスタイルは健在。ただ、いかんせん龍神の正体に意外性がなかった。あの国が絡んでくるのは想像できなかったが、龍神との関連は強引な感じだったし、色々と無理があるように感じた。ナマコ丼は一度食べに行ってみたい。2025/06/04