ちくま新書<br> ファラオ ――古代エジプト王権の形成

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ちくま新書
ファラオ ――古代エジプト王権の形成

  • 著者名:馬場匡浩【著者】
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • 筑摩書房(2025/03発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480076762

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内容説明

紀元前3100年ごろに成立し、幾度かの混乱期を経つつも、約三千年にもわたり存続したエジプト文明。そのなかでファラオは王権と神性を兼ね備えた最高権力者であり、政治、社会、経済、軍事はもとより、さまざまな象徴物も神話も、すべてファラオを中心とするかたちで展開した。本書では、最新の考古学的知見に基づき、その起源から王権・神性の背景、ファラオの果たすべき使命、さらにはミイラの作り方やピラミッドの目的までを幅広く紹介。謎に満ちたその実像に迫る。

目次

はじめに/第1章 背景──自然環境と歴史概要/1 自然環境/ナイル/増水現象/ナイルの利用/2 古代エジプト小史/初期王朝時代/古王国時代/中王国時代/第二中間期/新王国時代/第三中間期以降/第2章 起源──エジプト文明はいかにしてうまれたか/1 ヒエラコンポリス遺跡の概要/先王朝時代のナカダ文化/調査の歴史/2 遺跡を発掘する/調査隊への参加/土器工房/焼成方法の復元/最古のビール工房/ビールの同定分析/食品加工工房/巨大壁体/集落から生産地区へ/3 社会の複雑化/墓からみた階層化/エリート墓地/集落からみた専業化/陶工の生産形態/4 新たな国家形成論/文化的統合/統合におけるビールの重要性/政治的統合/アビドスの支配者出現/北方進出/第3章 神性──神とファラオの世界/1 神話の世界/古代エジプトの宗教/世界の創造/神々の誕生/ヘリオポリス神学大系/メンフィス神学大系/ヘルモポリス神学大系/人間の誕生/オシリス神話/2 ファラオの世界/ファラオの位置づけ/ファラオの神性/セド祭/戴冠式/ファラオのお仕事──マアトの維持/神殿/神殿の構成要素/神殿での活動/カバ狩り儀礼/第4章 王権──権力とイデオロギーの制度化/1 制度としての王権/王権とは何か/ファラオの王権/王権観の変化/2 動物儀礼と王権の形成/新たな考古資料/祭祀センターの動物儀礼/マアト維持の形成/エリート墓地の動物埋葬/野生動物の飼育/王権イデオロギーの形成/3 エリートとファラオの形成/狩猟と権力/かれらはどこから来たのか/なぜヒエラコンポリスだったのか/第5章 来世──その死生観とミイラ/1 魂、冥界、再生/二つの魂/冥界で生きるかたち/冥界の場所/太陽の再生復活/ピラミッド・テキスト/ファラオの再生復活/ピラミッド内での復活プロセス/2 オシリス信仰の興隆/来世の民主化/コフィン・テキスト/死者の書/アム・ドゥアトの書/墓とは何か/3 ミイラとは何か/ミイラの語源/ミイラの起源/ミイラの製作/憐れなミイラ/第6章 ピラミッド──その誕生と機能/1 ピラミッドの誕生/最初のピラミッド/初期王朝時代の王墓/ピラミッドの萌芽/初期王朝時代の周壁/ピラミッド・コンプレックスの成立/ピラミッドの建設場所/古王国時代の首都と王宮/2 階段ピラミッドから真正ピラミッドへ/崩れピラミッド/屈折ピラミッド/赤いピラミッド/3 ピラミッドの絶頂期/ギザ台地の開発/クフ王の大ピラミッド/完成当時のピラミッド/大スフィンクス/夢の碑文/4 ピラミッド・コンプレックスの意味/構成要素/機能/なぜピラミッドとなったのか? /ピラミッドは権威の強化? /5 ピラミッド建設にまつわる誤解/建設労働者は奴隷? /ピラミッドは公共事業? /ピラミッド労働者の出勤簿はない/6 ピラミッド時代の終焉/縮小していくピラミッド/王権衰勢の環境的要因/王権衰勢の政治経済的要因/7 ピラミッドはお墓? /墓の認定/ストロウハルの献身的研究/クフ王の埋葬はどこに? /おわりに/あとがき/古代エジプト年表/参考文献/図版出典

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

18
1月刊行の大城道則『古代エジプト文明』と内容が重複する部分もあるが、あちらが通史を核とした概説的な内容だったのに対して本書は王権論を核とした各論となっている。著者の個人的な体験が盛り込まれていたり、ミイラやピラミッドの専論的な章節もある。ピラミッドを王墓とした大城書に対し、本書では一部のピラミッドは王墓と言えるかもしれなが、現在の状況ではすべてのピラミッドが王墓と断言するのは難しいという立場を取る。2025/03/13

ぽんすけ

17
現地で長く発掘調査に加わった筆者による、最新の考古学的知見を基にした、文明の成り立ちから王権の背景、ファラオの使命などを広く紹介した本。エジプト文明と聞くとワクワクする私だが、筆者が長く発掘作業に従事した文明発祥の地ヒエラコンポリスという地名は初めて知った。この文明の萌芽とも呼べる時代からエジプト独特の死生観や信仰の対象が発生していたことに驚く。彼らの考える世界は無限に水で覆われた球体で、その中に天空・地上・地下が位置しており、地下は地上を反転させた世界だそうだ。これに太陽を当てはめて日没を太陽の死、2026/01/29

シルク

14
夏になるとなんだか、古代エジプトについてとか、アンデスのミイラについてとか、オスマン帝国のハーレムについてとか読みたくなる。要するに、ちょっと異空間的なものを読んで、その世界に浸りたいんだよね。あまりにあっちぃからさ🥵 しかーし、この本は私にはちょっと難しすぎた😵 悠久のエジプト史を語られても、土台になる知識をわたくしが持っていないもので、なかなかピンとこない。ちゃんとエジプトの歴史を勉強してから読んだら、もっと面白いだろうな。2025/07/21

ジュンジュン

14
ファラオ誕生のプロセスを自身も参加した発掘調査の成果を生かしつつ考察している。とはいえ一番食いついたのはやはりピラミッド。何年か前に「ピラミッドは公共事業」なる説があったけど、今では通用しないようだ。お墓とするには決定打に欠けるし、亡きファラオの復活再生を祈念するモニュメントといったところがトレンドらしい。2025/04/28

tsubomi

6
2025.06.01-06.09:ドラマ『恋は闇』で‘’ホルスの目’が出てくるのが気になったので古代エジプト人の死生観や宗教観を知りたくて読んだのですが、それ以上に遺跡発掘の実際の部分が面白くて、著者が調査に関わったいきさつからビール醸造所/瓶工房を発見したことなど考古学部分が興奮が伝わってきて読んでいても楽しくてしょうがなかったです。やはり宗教より考古学が好きな自分にはこっちだな、と(笑)。古代エジプト史、その文化、建築様式の変遷、信仰の変遷などもイラスト・写真が多くてわかりやすいです。2025/06/09

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