新潮文庫<br> 孤蝶の城(新潮文庫)

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新潮文庫
孤蝶の城(新潮文庫)

  • 著者名:桜木紫乃【著】
  • 価格 ¥1,045(本体¥950)
  • 新潮社(2025/03発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101254869

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内容説明

カーニバル真子としてクラブや芸能界で活躍する秀男は、モロッコで手術を受け、念願だった「女の体」を手に入れた! 帰国後の凱旋ショーは大成功をおさめるが、気まぐれな世間の注目を集め続けることは難しい。歌手デビューや地方回り、話題づくりのための結婚などあの手この手で奮闘するが、その先に待っていたのは!? 出会い、別れ、新たな始まり――。読んだ人の運命を変える圧倒的な物語。(解説・内藤麻里子)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

piro

41
『緋の河』の続編。モロッコで「女の体」を手に入れるところから、さらに波瀾万丈の度合いが増した秀男の人生が語られます。前作では秀男のパワーに圧倒された感がありましたが、本作ではそのパワーが空元気の様に感じられる、常に一抹の寂しさが漂う物語でした。私生活でもカーニバル真子を演じ続ける秀男の疲労感の様なものが苦しい。そんな中、姉章子・母マツの優しさに、読んでいるこちらも救われる思いでした。そしてエピローグでは様々な澱を吹き飛ばすパワーが再び…桜木さんの作品には寂しさや苦しみを包み込む希望がある。2025/05/19

miel

32
前作「緋の河」と本作は、カルーセル麻紀をモデルにした波乱と全力疾走の半生のフィクション。望まない性に生まれ、その性のギャップを自らカスタムし利用し続け、唯一無二の生き物となった真子の半生は、虚勢と怒号と威勢の良さの連続。でもそこに真子ならではの迷いが見えるからこそ、真子の魅力とカリスマ性が伝わる。どんな人の人生もそれなりにドラマティックではあるけれど、自ら演出を企み演じインフルエンスする人は稀有。批判や嘲笑を糧に「本物の私」を極める姿は、誰が見ても痛快に映るだろう。やはりどんな道も先駆者は格が違う。2025/09/13

Shoji

31
性転換手術を施した秀男の物語。『緋の河』の続編である。『緋の河』では男の体を持つことの苦悩が描かれ、『孤蝶の城』では性転換手術を施した後の生き様がつづられている。クラブ、キャバレーで華やかに舞い、銀幕でも話題を振りまく。テレビでは「キワモノ」で売り出し脚光も浴びる。しかし、いつも暗い影が付きまとっていた。スポツトライトに照らされた秀男と、ライトを浴びていない秀男の対比が鮮やかに綴られ、その人間模様に惹きこまれた。桜木紫乃を堪能した。2025/05/10

sora

9
カルーセル麻紀さんをモデルにした、壮絶なストーリーでした。桜木紫乃さんの筆力には圧倒されました。 上品ではない、言動や行動を決して下品な表現にならないよう描かれていました。普通では無い生き方を選んだ秀男はすごいです。周りに支えられての生き方ですよね。なんたってお母さんが素晴らしい。そして、坊やの成長ぶりに感動でした。2025/04/18

chika's

6
苦難を乗り越えついに神様のミスを正した秀男。自分に向けられる世の中の関心をちゃんとわかった上でしたたかに生きる。カッコイイな真子。マツやショコちゃんはじめそんな秀男の心の支えになるみんなも素敵。坊やの成長もなんだかうれしいね。ビジュアルはどうしてもカルーセル麻紀さんをイメージしてしまうけど美魔女って感じなのかな。2025/07/07

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