スピリチュアリズムの時代 1847-1903

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スピリチュアリズムの時代 1847-1903

  • 著者名:伊泉龍一【著】
  • 価格 ¥6,600(本体¥6,000)
  • 紀伊國屋書店(2025/02発売)
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  • ISBN:9784314012072

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内容説明

人々を熱狂させた社会現象に迫る
近代スピリチュアリズム研究の決定版

19世紀半ばのアメリカに出現し、興隆を見せたスピリチュアル・ムーヴメントとはいったい何だったのか。ことの発端は1847年、ニューヨーク州の外れの小さな村で聞こえてきた不可解な音と、『自然の原理』という奇書の誕生だった。


「心霊主義」とも訳されるこのムーヴメントは、19世紀後半の英米圏で、産業革命がもたらした労働環境の悪化などに対する社会改革運動やキリスト教の退潮を後ろ盾に大きな流れになり、ウォレス、ダーウィン、ハクスリー、ファラデー、ティンダル、クルックス、シジウィック、ジェイムズ、パースら、第一線で活躍していた学者たちも巻き込んでいった。

源流となる18世紀のスウェーデンボルグやメスメリズムに遡りつつ、ムーヴメントが隆盛を極めた1847年から1903年までの資料から、“見えない力”や“霊的なるもの”に翻弄された人々の記録を辿りながら、その背景にあった社会思想や文化的意義を踏まえて考察する。
厖大な資料をもとにムーヴメントの興亡を克明に描き出した比類なき大著、待望の刊行!

目次

《第1部 スピリチュアリズムの台頭》

第1章 源流――メスメリズムからアンドルー・ジャクソン・デイヴィスまで
第2章 ムーヴメントのはじまり――フォックス姉妹による霊との交信
第3章 社会改革運動の夢――霊的テクノロジーから霊的社会主義のユートピアまで
第4章 エンターテインメント化する交霊会――霊のキャビネットから空中浮遊まで
第5章 科学――霊の存在を証明しようとした科学者たち
第6章 スター・ミディアムたちの光と影――全身物質化と劇場としての交霊会
第7章 変容するムーヴメント――スピリチュアリズムからオカルティズムへ

《第2部 サイキカル・リサーチ》

第8章 不可知論を超えて――マインド・リーディングからSPRの設立まで
第9章 サイキカル・リサーチのはじまり――テレパシーと生者の幻
第10章 終焉――スピリチュアリズムを死に至らしめる一撃
第11章 白いカラスを求めて――レオノーラ・パイパーの謎
第12章 人間の人格と肉体の死後のその存続――フレデリック・マイヤーズと非宗教化された魂

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

120
19世紀半ばからの欧米文学には、しばしばスピリチュアリズムの話が登場する。著名な作家や学者も真剣に扱うほどの時代風潮は、米国での女性霊媒師による交霊会ブームが発端だった。これにスウェーデンボルグやメスメリズムの神秘主義が合流し、欧州にも輸入され広まった。進化論など科学が一般化してキリスト教信仰が揺らいでいた当時、不安に怯える人心を巧みに捉えたのだ。超自然なものに惹かれてしまう心の闇や弱さは、統一教会やオウム問題を抱える日本にも他人事ではない。ネットで流れ込む過激思想は、現代のスピリチュアリズムなのだから。2025/05/18

junne

2
19世紀後半の英米におけるスピリチュアリズムの大ブームを詳細に綴った本。著者が基本的にそういうのを信じておらず、かといって揚げ足取り的にもならずに客観的に記録をたどっているところが良い2025/06/03

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