内容説明
徳川家康が最も恐れた男、真田幸村の謎に迫る!
「歴史ミステリとして、そして本格ミステリとして、実に優れた一作」
――大矢博子(解説より)
徳川・豊臣両家や諸将の思惑が交錯する大坂の陣。
亡き昌幸とその次男幸村――何年にもわたる真田父子の企みを読めず、翻弄される東西両軍。徳川家康、織田有楽斎、南条元忠、後藤又兵衛、伊達政宗、毛利勝永、ついには昌幸の長男信之までもが、口々に叫ぶ。「幸村を討て!」と……。戦国最後の戦いを通じて描く、親子、兄弟、そして「家」をめぐる、切なくも手に汗握る物語。
『塞王の楯』「羽州ぼろ鳶組」シリーズの熱さと『八本目の槍』の緻密な叙述を兼ね備え、家康を「探偵役」に紡がれた、単行本時各紙誌絶賛の傑作歴史ミステリーが待望の文庫化!
【目次】
家康の疑
逃げよ有楽斎
南条の影
名こそ又兵衛
政宗の夢
勝永の誓い
真田の戦
解説 大矢博子
〈大坂の陣410周年〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のり
115
「家康」にとって「真田」家には何度も煮え湯を飲ませてきた。上田合戦・関ヶ原・そして大坂の陣。知将の「昌幸」を父に、徳川の娘を妻にし、昌幸を超える才を持つ「信之」を兄にもつ「幸村」。東西に分かれた最終決戦で、立場ははっきりと別れた。勝ち目のない「豊臣」についた幸村の活躍の裏には…様々な者の目からみた話で進んでいく中、「勝永の誓い」が特に良かった。様々な思惑を秘めながら、それぞれの戦を…真田家の存亡を賭けた計略。痺れまくりだった。2025/05/16
じいじ
82
今村祥吾の初読み。今村祥吾はデビュー作の『火喰鳥…』から注目していたが、『塞王の楯』で直木賞を獲った時は「やっぱり!」と思った。その受賞後の第一作が今作。私は、時代物では江戸時代の町民モノと信長、秀吉、家康を中心にした戦国モノが好きです。さて、初めての今村祥吾はミステリー調で面白かった。とくに今作の主役・真田家については余りよく知らなかったので新鮮だった。加えて、徳川家が生き残ることを第一に考えて行動する、家康に人間の大きさを感じると同時に惹かれた。今村祥吾を少し追っ掛けて見たくなった。 2025/05/11
里愛乍
78
兎角終始鮮かである。各章主要人物視点で語られる情景の中、存在感を誇示するように現れる幸村。各章で謳われるタイトルや伏線の回収も見事にはまり、その艶やかさにゾクゾクする。さらに極まるは各章に登場する武将の漢っぷりである。今村先生の描く彼らのなんとカッコいいことか。さらにこれらを纏め上げる最終章の気持ちよさ、小説の面白さ全てが詰まっていると思う。最後に大阪ほんま本大賞受賞おめでとう御座いました!2025/10/03
goro@the_booby
63
6人6様の「幸村を討て」を堪能いたしました。面白すぎです!戦国時代の終わりかと各人の思惑の中でありながら真田に翻弄し絡めとられるとは驚愕の「大阪冬・夏の陣」を描き切った。中でも毛利勝永は落涙ものでした。そして大御所家康との静かに熱い闘いは緊張感あふれる名場面となった。素晴らしい一冊でありました。2026/02/06
yamatoshiuruhashi
56
大阪の陣で活躍した真田幸村。が、実は真田家の存亡をかけて兄・信之(信幸)との遠謀深慮が。終局、それを見破ろうとする家康との舌戦(まさにいくさだ!)がフィナーレを盛り上げる。今まで考えたこともなかった構図に興奮。真田太平記に魅せられた今村将吾の傑作である。池波正太郎も泉下で唸っているだろう。今年2冊目の登録。この歳になるまで、字が読めるようになって、こんなに読了本が少ないのは初めてである。老いをしみじみと。2025/02/06




