内容説明
引退した殺し屋のマークは、「暗殺依存症」患者の自助団体に参加し、「二度と人を殺さない」と誓うが、何者かに命を狙われ、襲撃されてしまう。敵の正体を探るため世界中を飛び回るマークのなかで、敵を殺してしまいたいという欲求がどんどん高まっていき……
暗殺中毒に陥った主人公を待ち受ける試練の数々!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
75
殺し屋を引退したマークは自助団体A A「暗殺依存症」に参加してもうすぐ1年になる。ところがある日、襲撃される。敵の正体を探り始めるがそれは湧き上がる殺意との戦いの始まりだった。感想が難しい作品だ。良識的な私は「耐えるのよ、もうすぐ一年、頑張れ」と応援する。が小説を楽しみたい私は「世界最高の暗殺シーンを見せてよ」となんだかじれったい。過去と現在が交互に語られ、登場人物との関係もひねりがあるのだが、私にはスッキリしない作品だった。2025/04/19
路地
50
殺人を依存症として捉える設定が新鮮。シリアルキラーは別として、政府の情報機関に雇われた凄腕暗殺者である主人公までが、殺人を行う際の全能感や自己肯定感の誘惑に苛まれながら必死に耐える日々に謎の襲撃に遭い、不殺の縛りのなかで苦闘する姿がドラマチックで一気読みを誘う。同伴者の怪しさにはうすうす気づいていたものの、黒幕の正体は予想できなかった。続編の翻訳が楽しみ。2025/06/10
tom
25
なるほど、人を殺すのは恐ろしいほどのテンションがあるはずで、そうなるとアドレナリンは出っ放し。人を殺すことが常態になったら、殺すこと自体が嗜癖、快楽につながるとなっても不思議はない。怖い怖いと思う。そんな状態になってしまった暗殺者の嗜癖からの離脱を書いたハードボイルド。こんな設定は初めてのこと。なかなかの珍しさを楽しむ。2025/07/31
しゃお
25
名前を聞いただけで戦意を喪失するような凄腕の暗殺者マーク。しかし「殺しの依存症」を治療しようと自助グループに入り不殺の誓いを立てているという設定が面白い。そんなマークが何者かに狙われて、更に次々と敵と対峙するにあたり暗殺衝動が蘇ってきて、さてどうするといったところも読み応えあります。実際読んでいてその衝動に身を任せてしまえと思ったりも。過去と現在が描かれ、映画ネタも多く、まさに映像化向きの作品。ちょっと戯画的だけど、それを分かって読むと楽しい。2025/06/07
くさてる
20
世界最高の暗殺者であったマークはある事件をきっかけに引退を決意。身に沁みついた暗殺者としての生き方と決別するために暗殺者を対象とした自助グループに参加していたが……というストーリー。ちょっと捻った設定ながら、展開が早くて過去と現在が入れ替わりで語られる構成で飽きさせず、一気に読めます。ネトフリとかで映像化しそう、ケンジはぜったい真田広之。と思ってしまうくらいに、アクション映画そのままの内容なので、お好きな方はぜひ。2025/04/08