内容説明
一人のホームレスとの出会いがエリート神父の生き方を変えた.人を根底から変える力は社会的弱者の中にあり,神の選びは貧しく小さくされた者の側にこそある.釜ケ崎の労働者たちの感性に学び共に過ごした20年の歳月を語る.身をもって生きられた実体験により育まれた,独自の福音書理解による力強い宗教思想がここにある!
目次
I ある出会い
痛みを知る人たちこそ/愛するよりも大切にすることを/よい子症候群のわたし/釜ヶ崎でのある出会い/力は弱さの中にあってはたらく/福音は宗教を超えて/すべての谷は身を起こせ/痛みを共感,共有する/相手の立場に立てると思うな/聖書の中の「小さくされた者」/塵から低みから/一杯の水
II 宗教を超えて福音を――聖書講義
一 貧しく小さくされた者の選び
福音との出会い/宗教生活/キリストの体――パウロの視点/一致の秘訣/洗礼/申命記に見るイスラエル/原始教会の姿/「心の貧しい人」とはだれか/地の塩・世の光/寄留者アブラハム/十二弟子の派遣/低みに立つ
二 イエスとは誰か
「わたしはある」/樫の木/主のしもべの歌/イエス像/ことば(ダバール)/「へりくだり」の差別性/誕生の秘密/大工の仕事/酒飲み/神は低みから/聖霊降臨/東方の三人の博士/悪霊のかしら/無学のイエス/わたしの身内/復活後のイエス/底辺の底辺に立つ者/イエス自身についてのたとえ話/福音のはたらき/救いとは何か/不正な管理人のたとえ
III いま,信頼してあゆみ始めるために
いま,最悪の国際情勢/危機的な国内情勢と社会問題/「良識的」といわれる人たちの社会問題に対する誤ったスタンス/「良識的判断」の三つの誤り
一 真の平和,ほんとうの平和を求めて
波風をたてることをきらう「平和主義者」たちの勘違い/対立,敵対をおそれずに,立場を鮮明にする /対立の三つのパターンを見きわめる/対立を社会構造的な視野でとらえる/敵対する人たちをも「大切にする」/富と権力の座から降りる手伝い/富と権力の座,抑圧の仕組みそのものをなくすはたらき
二 社会活動の霊性〔スピリチュアリティ〕
貧しく小さくされている人たちの願いの実現に連帯する
真の連帯への四つのステップ
第一のステップ――痛みの共感から救援活動へ
「はらわたをつき動かされて」/痛みの共感を深めるために/行動の一歩としての救援活動と生活の見直し
第二のステップ――救援活動の行きづまりから構造悪の認識へ
「ほどこし」「わかち合い」の救援活動の限界/貧しく小さくされた人たち(貧困者)がいるのは「なぜか」を考える/湧き上がる「怒り」と霊性の危機感/聖書から「怒り」の大切さを学ぶ/二通りの「怒り」を識別する/痛みの共感による「怒り」は,そらしてはならない/怒りの矛先をどこへ向けるか
第三のステップ―社会的・政治的行動へ
問題の原因に迫る活動/貧しく小さくされた人たちの持つ知恵と力に気づく/貧しく小さくされている人たちから「学ぶ」必要を知る/聖書に記された人類救済の歴史に見る「神の選び」
第四のステップ――単純な「弱者賛美」から真の連帯へ
貧しく小さくされた人たちを「美化」しない/抑圧された側に立つ人の,個人の資質にではなく,その感性に学ぶ/連帯して闘う
福音に信頼してあゆみを起こす
人権と共に人間の尊厳を大切に――むすびに代えて
平成不況が生み出した「国内難民」―野宿をしいられる人々/人のいのちをもてあそぶ「追い出し」モード/「人権」と「人としての尊厳」/「社会」問題を「個人の資質」の問題にすりかえるな/就労をはばむ見えにくいハードル/支援・連帯のこころがまえ
現代文庫版あとがき
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