岩波現代文庫<br> 釜ケ崎と福音 - 神は貧しく小さくされた者と共に

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岩波現代文庫
釜ケ崎と福音 - 神は貧しく小さくされた者と共に

  • 著者名:本田哲郎【著】
  • 価格 ¥1,331(本体¥1,210)
  • 岩波書店(2025/02発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784006032821

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内容説明

一人のホームレスとの出会いがエリート神父の生き方を変えた.人を根底から変える力は社会的弱者の中にあり,神の選びは貧しく小さくされた者の側にこそある.釜ケ崎の労働者たちの感性に学び共に過ごした20年の歳月を語る.身をもって生きられた実体験により育まれた,独自の福音書理解による力強い宗教思想がここにある!

目次

I ある出会い
痛みを知る人たちこそ/愛するよりも大切にすることを/よい子症候群のわたし/釜ヶ崎でのある出会い/力は弱さの中にあってはたらく/福音は宗教を超えて/すべての谷は身を起こせ/痛みを共感,共有する/相手の立場に立てると思うな/聖書の中の「小さくされた者」/塵から低みから/一杯の水
II 宗教を超えて福音を――聖書講義
一 貧しく小さくされた者の選び
福音との出会い/宗教生活/キリストの体――パウロの視点/一致の秘訣/洗礼/申命記に見るイスラエル/原始教会の姿/「心の貧しい人」とはだれか/地の塩・世の光/寄留者アブラハム/十二弟子の派遣/低みに立つ
二 イエスとは誰か
「わたしはある」/樫の木/主のしもべの歌/イエス像/ことば(ダバール)/「へりくだり」の差別性/誕生の秘密/大工の仕事/酒飲み/神は低みから/聖霊降臨/東方の三人の博士/悪霊のかしら/無学のイエス/わたしの身内/復活後のイエス/底辺の底辺に立つ者/イエス自身についてのたとえ話/福音のはたらき/救いとは何か/不正な管理人のたとえ
III いま,信頼してあゆみ始めるために
いま,最悪の国際情勢/危機的な国内情勢と社会問題/「良識的」といわれる人たちの社会問題に対する誤ったスタンス/「良識的判断」の三つの誤り
一 真の平和,ほんとうの平和を求めて
波風をたてることをきらう「平和主義者」たちの勘違い/対立,敵対をおそれずに,立場を鮮明にする /対立の三つのパターンを見きわめる/対立を社会構造的な視野でとらえる/敵対する人たちをも「大切にする」/富と権力の座から降りる手伝い/富と権力の座,抑圧の仕組みそのものをなくすはたらき
二 社会活動の霊性〔スピリチュアリティ〕
貧しく小さくされている人たちの願いの実現に連帯する
真の連帯への四つのステップ
第一のステップ――痛みの共感から救援活動へ
「はらわたをつき動かされて」/痛みの共感を深めるために/行動の一歩としての救援活動と生活の見直し
第二のステップ――救援活動の行きづまりから構造悪の認識へ
「ほどこし」「わかち合い」の救援活動の限界/貧しく小さくされた人たち(貧困者)がいるのは「なぜか」を考える/湧き上がる「怒り」と霊性の危機感/聖書から「怒り」の大切さを学ぶ/二通りの「怒り」を識別する/痛みの共感による「怒り」は,そらしてはならない/怒りの矛先をどこへ向けるか
第三のステップ―社会的・政治的行動へ
問題の原因に迫る活動/貧しく小さくされた人たちの持つ知恵と力に気づく/貧しく小さくされている人たちから「学ぶ」必要を知る/聖書に記された人類救済の歴史に見る「神の選び」
第四のステップ――単純な「弱者賛美」から真の連帯へ
貧しく小さくされた人たちを「美化」しない/抑圧された側に立つ人の,個人の資質にではなく,その感性に学ぶ/連帯して闘う
福音に信頼してあゆみを起こす
人権と共に人間の尊厳を大切に――むすびに代えて
平成不況が生み出した「国内難民」―野宿をしいられる人々/人のいのちをもてあそぶ「追い出し」モード/「人権」と「人としての尊厳」/「社会」問題を「個人の資質」の問題にすりかえるな/就労をはばむ見えにくいハードル/支援・連帯のこころがまえ
現代文庫版あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

101
釜ヶ崎で、路傍の労働者たちと連帯して暮らす本田神父の言葉に真実がある。カトリックの司祭でありながら「教会は建前ばかりを教える」「神父が語る説教は能書きに過ぎない」。そして「相手の立場に立てると思うな」「憐れまれる側の辛さ。大切なのは憐れみではなく、痛みの共感(コンパッション)」「「へりくだり」の差別性。英雄気取りの発想は傲慢以外の何物でもない」「社会問題を個人の資質の問題にすり替えるな」という境地に到達する。小ささや貧しさに苛まれた者としてイエスを捉える聖書解釈も独特。自分の傲慢さを思い知る一冊である。2024/05/26

kawa

28
「貧しく小さくされている人たちを通して神がはたらかれることを信じて、その人たちの痛み、苦しみ、さびしさ、悔しさ怒りを共感、共有しながら、その人たちと連帯する」キリスト教者として釜ヶ崎の労働者と接して、自らの上から目線の不遜な傲慢さに気付く。読み手としても、今までにない視点に気付かされ感謝。じっくり考えて、また再読したい書。2025/03/27

二戸・カルピンチョ

24
どこまで私がこれを理解し人生の中で行動できるのかなぁって思う。もしかしたら全然行動できないかも知れない。私は対立が嫌だから。本当に嫌だから。2025/06/15

らい

13
懺悔と祈りのような文章。教会一本でやって来た人が、こういう赤裸々な告白するんだな、すごいと率直に思った。宗教組織と宗教の本質は、あまり関係ないという意見が、こういう人から聞けるのは嬉しいな。組織を維持しようと思ったら、集団の論理がどうしても必要になってくるもん。二章以降は、小さくされた人がどうして強いかを、聖書を交えて解説していた。聖書読まないとなあ。宗教、宗派に関係なく、人は福音を生きていくべきか。霊性を高めた人ってのは貴いなあ。2022/02/19

tu-ta

9
読書メモ書きました。URLはコメント欄 図書館にある単行本を読んだあと、文庫でメモを書きながら読み直した。この本の文庫版あとがきのいちばん最後のところで、安倍政権のなし崩し改憲や教育介入、原発問題を指摘して、「どうしたら、この閉塞した状況を打ち破ることができるのか」と問いを立てる。 結局、 「人を人として大切にする。ここに立ち戻るところからやり直すしかない、現実的なとっかかりは、今いちばん大切にされていない人(人々)の側に視座を移すことだ」という。 そして、具体的に動くことが問われている。2015/09/10

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