出版社内容情報
「ハーフ」と呼ばれる人々の日常と溢れる感情を鮮やかに描いた、わかりあえなさと手を繋ぐ群像劇。
「姉ちゃん、俺、改名したけん。」
フランス人の父と日本人の母を持つ〈米山和美マンダンダ〉は、弟から突然の告白を受ける。
生まれ育ったはずの日本で「異物」と見なされても、笑って流していたけれど…。
アイデンティティに揺れるすべての人へおくる、共生を模索する希望の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
venturingbeyond
27
連休最終日に昨年度末に読了した傑作のレヴューをようやく書いてます。田舎に住んでいても、多様なルーツを有する若い世代をここそこで目にすることも増えてきた昨今、当事者に様々な課題を抱えさせるエスニックマジョリティのあり方やエスニックマイノリティの存在を不可視化させる社会構造について考えるきっかけを読者にもたらす希有な作品です。同業の皆様にも広く手に取っていただき、目の前の当事者との向き合い方を検討するきっかけにしてもらいたいところ。2025/03/31
JACK
16
☆ 日本で「ハーフ」と呼ばれる事が多い、複数の国や人種のルーツを持つ人々。この言葉には差別的なニュアンスがある。見た目や文化、言葉などが一般的な日本人と違うという事で疎外感を感じる毎日。日本で生まれ育っても「日本人以外」の意味を持つ「ガイジン」扱いされる。日本語や箸の使い方が上手いと赤の他人から「ガイジンさんなのに凄い」と言われ、初対面の人から両親がどこの国の人なのかというプライベートな事を聞かれる。無意識の差別に曝されてきた人たちの苦悩を描く連作短編集。素晴らしい作品で色々と考えさせられます。オススメ。2025/08/21
むらて
6
所謂ハーフ/ミックスと云われる人たち(とその周りも含む)の物語。トーチでの連載分と、後半は描き下ろし。トーチで読んでいてその後を待っていたので、こうして単行本になり、そしてこの後も続くようで嬉しいです。「ハーフ」と云う言葉自体が差別的、当事者には忌避されるうる言葉であることは知っていたけれど、ただ“知っていた”だけなので、すごく色々なことを感じさせられ、考えさせられ、自省させられます。マイクロアグレッションについて。当事者だけでなく、まりなやアレキサンドラの話があるのも良いなと。続きも楽しみです。2025/04/09
Yukipitasu
5
待望の1巻。下地ローレンス吉孝さんが書いた初回特典冊子まで読めてよかった。作中で暗に触れられていた相模原事件も取り上げてたし。NHKで実写ドラマ化してほしい。 大好きだし良い奴だからこそ、マイクロアグレッションはきつい。どうでもいい人間なら簡単に切り捨てられるのに。でも切らなかったからこそ、分からないことを分かってくれる友達になった。米山和美マンダンダのシバタとのエピソードよかったな。ラブだぜシバタ。2025/04/27
電羊齋
5
世間で「ハーフ」などと呼ばれる(自分はこの言い方が嫌いだが)ミックスルーツの人々について考えさせられることの多い作品。世間との葛藤、家族との葛藤を抱える彼ら主人公たちを人間として等身大に描く良作。2025/03/31