内容説明
2025年第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリ受賞作
余命宣告された人々が集まる山荘で起きた、ある一人の突然死。
自然死か殺人か――。超新星の二度読み必至「館」ミステリー!
「最初から最後までずっと罠ばかり。最大の罠は作風そのものかも」麻耶雄嵩(作家)
(あらすじ)
探偵業を営む七隈は、余命宣告された人々が集う交流会のゲストとして、助手の律と共に山奥の別荘に招かれた。
二人は交流会の参加者と食事をし、親交を深める。しかし翌朝、参加者の一人が不審な死を遂げる。
自然死か殺人か。殺人であれば、余命わずかな人間をなぜわざわざ殺したのか。七隈たちは死因の調査を始め――。
やがて明かされる驚愕の真相とは?
【著者について】
香坂鮪(こうさか・まぐろ)
1990年、熊本県生まれ。大阪府在住。現在、循環器を専門とする特定機能病院に勤務。第23回『このミステリーがすごい!』大賞・文庫グランプリを受賞し、本作でデビュー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bunmei
207
著者が医療従事者であり、医療や治療方法が飛び交い、専門性を活かした医療ミステリーとしての奥行もある。舞台は、山奥の洋館。そこに集まった者は、余命宣告を受けた男女。当初は、和気藹々とした交流会だったが、2日目の朝、その中の男が、密室の部屋で不審な死を遂げる。その死は殺人なのか?病死なのか?殺人ならば何故、生い先短い余命宣告者を殺す必要があったのか?やがて、第2の事件が起きるのだが、その被害者はあまりに意外な人物。次第に、この交流会に秘められた目的が明かされていった時、2つの事件の驚愕な真相も解き明かされる。2025/04/26
ハゲおやじ
153
初読みの作家。第23回 文庫グランプリ 受賞という帯が気になっていた。元刑事の探偵と医学生の助手が、余命宣告者の集まりに呼ばれる事から始まる。二人のやりとりが、七尾か?東川か?と思わせる感じで 私には とっつき易かった。途中の犯人探しや医学所見はダラダラ感満載で疲れるが、それも伏線だったのか?… って まさかの犯人だよね。ある意味 全てが強引であり「グダグダ細かい事指摘してないで 驚きゃいいんだよ!」と言われている感じ(私感ね)。でも、確かに驚きの展開ではあるけど ラスト1行も ちょっと強引かなぁ。2025/08/04
しんたろー
122
第23回『このミス』文庫グランプリ受賞作は『一次元の挿し木』が面白かったので、同時受賞の本作もと購入。余命宣告を受けた人々が集まった山荘で不審死事件を解く内容....事件が起こる迄が冗長に感じたし、その後の展開も緩い。医学的説明が少々読み辛く、会話でのユーモアが私が喋るオヤジギャグ程度なのも苦笑。肝である叙述トリックの為だろうが誰が喋っているのか混乱させられるので330ページ程度なのに変に手間取った。端々にミステリ愛は感じるし、驚かそうとサービス精神もあるが、辛口で恐縮ながら今のところ今年一番残念な作品。2025/07/05
mint☆
95
物騒なタイトルで驚いたけど中身も驚いた。山の中の一軒の別荘に様々な病気で余命宣告を受けた人たちが集まる。そこに特別招待された探偵とその助手。翌朝突然一人亡くなりそしてまた一人亡くなっていく。余命宣告を受けている人なのだから病死?それとも他殺?探偵と助手が捜査を始める。と思いきやくるりと方向転換。勝手に思い込んでいた自分に驚く。ミスリードに引っかかりまくってました。意外な真相が明らかになるにつれ、今まで思い込んでいたことがオセロのようにひっくり返る。全てを知った上でもう一度最初から読みたくなる作品でした。2025/04/16
まり
87
図書館本。ちょっと読みにくかった。誰が話しているのか、わからなくなることが多々あった。後半は話が二転三転していてビックリな展開になっていったけど…何となく、いろんなところに引っかかった。余命宣告を受けた中での殺人事件かも?と言う設定は良かったけど…。2025/05/30