内容説明
「大人」をお休みする日があっても、
それは「わたし」を生きるため。
中原中也賞受賞詩人が贈る、恋と暮らしに寄り添う第五詩集。
雑誌「mina」「婦人之友」人気連載を含む、著者最多の45篇を収録。
恋をすること/自分を愛すること
暮らしていくこと/抗うこと
女ともだちへ/選択すること
別れを選ぶこと/心を生かすために
ーーままならない日々のなかに光を見つける全8章。
自分の機嫌は、自分でとる。
そう努めることが、
よい「大人」の秘訣でしょうか。
「自分の機嫌くらい」、ね。
ちくりと刺された心地がしてうつむく。
「自分の機嫌だから」むずかしいのに。
世話を焼く対象が外にいてくれた方が
そっと見守ることができるだろうに。
ーー「大きくなるために必要なこと 」より抜粋
ひとりの夜に思い出す。
もう交わることのない関係を、
会わなくなった人たちのことを。
雲間から、月と目を合わせるみたいに
ぽっと記憶が灯る。
そんな過去からの小さな受け取りが
わたしの心を、思わぬ角度で照らしてくれる。
ーー「冷めない夜」より抜粋
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
144
ぬくもりが冷めてしまわぬうちに時を止めたいのに、ボタンを押せないまま湖に沈んでいく。泥を掻き分けた感触、小さな扉、開けると一輪の花、かすかに届く明かりを頼りに。詩に触れると、不思議な世界が心の中から生まれてくる。凪になるまでおやすみ。いつまでもこのままではいられないけど、日が暮れるまででもいいから。光の当たらない月は冷たい石。読者は言葉に込められた想いを受け取って追体験する。善い詩人はその情景を言葉で紡ぐ。「ひとは満ち足りてしまうものが怖いだけではないかと」恋、自愛、抗い、別れ、選択など45篇、文月悠光。2025/02/17
fwhd8325
66
自分自身の心が疲れた時、詩や短歌などを詠む傾向があるようです。文月さんの作品は、言葉を大切にしているように感じています。私生活に変化があったことを思って読んでからでしょうか、この作品集はほんわかした温もりのようなものを多く感じました、そして、艶っぽさを感じました。今までの作品から大きく変化した作品集だと思います。2025/03/24
コンチャン
11
詩集は好きでときどき読むのですが、なかなかに難しいこともあって、感想書きにくいなあと思うことがあります。でも、今回の作品は結構近くに寄り添ってくれるような言葉が多くて親しみやすい印象を受けました。 2025/05/30
えつ
11
文月悠光さん、初めましてでした。多分、1個下の方。16歳のときに現代詩手帖賞を受賞、ほかにも中原中也賞などを受賞している詩人さん、らしい。第5詩集。やさしくて心地良い言葉に包まれる時間だった。個人的には、星の採取、春の膝、部屋は聞いている、辺りが好きだったかな。前から気になっていた作品が文月さんの作品だったということを知ったので、そちらも読んでみたい。NetGalleyにて。2025/02/14
喪中の雨巫女。
9
《私-図書館》久しぶりに、詩集を読みました。2025/06/27
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