建築のかたちと金融資本主義

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建築のかたちと金融資本主義

  • ISBN:9784794227621

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内容説明

建築が金融商品になり下がるとき、
そのデザインに何が起こるのか?
その「かたち」は、社会にどんな影響を及ぼすのか?

あらゆるものが金融商品と化するこの時代、
建築はその最たるかつ最大のものであるといえる。
建築が金融商品に「最適化」されるとき、
その形は極端にゆがめられてしまう。
その結果生まれた「氷山」、「ゾンビ」、「極細」建築とはいかなるものなのか。
建築家はそれを受け入れるのか、あるいは抵抗するのか。
そして実際につくられた建築の形態は、都市や社会の本質に何をもたらしているのか。

ザハ・ハディド、リチャード・ロジャースやP・V・アウレーリ(DOGMA)、
さらにはアルド・ロッシやアドルフ・ロースなどの作品を比較検証しながら金融化との建築家の距離感を分析し、
バーチャル空間の金融フィクション化(Fi-Fi)までをも射程に含める、新時代の建築評論。
「資本主義の欠点にどう対処するのかという問題について、建築は長らく取り組んできた。しかし、いかなる攻撃をも吸収する資本主義の強欲さはよく知られるところである。建築は今や金融であるため、優れた批判的思考力を持った建築家は、ある種の批判的な金融を実践する必要がある。これは建築家が銀行家になるべきだという意味ではなく、建築家が構造エンジニアと協業しているのと同じような方法で、これからは金融業者と協力することを検討してもいいのではないかということだ。……批判的かつ創造的な行為としての建築は、21世紀においてその目的を改めて主張するために、活動領域を拡大しなければならない。」(本書より)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

sho

5
おもしろくてさくさく読んだ。思想や宗教に突っ込んでいく第7章が特に好きだった。なかでもp.255に出てくる「手数料ベースの精神的なドメイン」(巨大テック企業腐し)が、非物質的な世界観にまるで似つかわしくない滑稽さを含んでいて良かった。2018年に見て好きだと思ったアイザック・ジュリアンの映像(プレイタイム)が、この本で説明されている世界のことだったと改めて分かったのも良かった。見た当時は「資本主義とそこで生じる搾取はキツいよな」ぐらいだったが、物質的/非物質的という考え方でよりクリアになった感。2026/02/27

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2
誰が示し合わせたわけでもないのに、タワーマンションや幽霊マンションなど、一定の形態や状況が同時多発する現象についての考察。前半で建築物の「シェルター」、「文化の表出」、そして「富の象徴」という三つの機能を挙げ(p. 33)、三番目の機能だけが加速し、マルクスの言う「擬制資本(fiktives Kapital)」(p. 38)がさながら「物質化」したかのようなそれらの建築物について論じ、最終的に資本主義という「教義も特別な神学もない」(p. 257)宗教の「聖堂」なのかもしれないという話につなげていく。2026/08/09

完敗

2
金融資本主義が進むと建築も擬制資本化する。日本は平成バブルで不動産の高騰と暴落を経験している。あの頃を思えば本書の雰囲気も理解できる。建築という実体はあってもそこに投資商品としての思想や使い勝手といったものが絡んでくる。信用経済はフィクションで成り立っているのだから仕方ない。建築も資本主義から逃れることはできない。誰も使わなくても経済のためになればそれでいいということか。著者は当然ながら良く思ってはいないようである。2026/07/01

smatsu

1
氷山(Iceberg)というのはイギリスの富裕層に流行っている建築様式で、地上部分は大したことないが地下部分が異様にゴージャスな作りになっている建築。地下の規制が緩いのが原因だと。ゾンビっていうのは今中国で大量発生しているような、バブル時に作り始めたけど資金不足で工事が中断して無人のゴーストタウンみたいになっている建築物群(Zombie Urbanism)。極薄(Ultra-Thin)はNYの432パークアベニューみたいな奴で、確かにこういうのって金融資本主義だなーという感じがします。興味深い2025/05/03

horada

0
*****2025/08/18

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