内容説明
大切なのは、テメエが美味いと思うかどうか。世間の流行や他人の評価に背を向け、己の舌に忠実に“食道”を追求する――これ即ち「グルメ外道」なり。自ら提案して大バズりした「10分どん兵衛」から、ラーメンにカレーに焼肉、「窒食」「志村けんの水割り」といった独自すぎる食技法までを、比類なき言語化能力で綴る。庶民的でスケベで斬新――そんな「美味しい能書き」をたっぷり詰め込んだ、最初で最後のグルメ論!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よこたん
34
“あり得たかもしれないもうひとつの人生を想像するように、あり得たかもしれないもうひとつの「注文」をシミュレーションするのである。それも注文をした直後に。すでに「親子丼」という賽は投げられた。もうその時間を巻き戻すことはできない。” 私も注文した後、メニューをしげしげと、かつ熱心に見てしまうほうだ。食べるという行為は、かなり個人的だ。食べたいものを食べたいように食べて、何が悪いんじゃと。だから押しつけはないのだけれど、嗜好が独特すぎておそらく追随はできそうにない。10分どん兵衛は、この方の提案だったとは。2025/07/27
姉勤
33
無理してんな。ってのが第一の感想。「東京pod許可局」の雑談やステージで開陳している、食に関する諸々を新書にまとめるために、つまり字数を稼ぐために。芸人ていうのは運動を伴う表現者。そこから運動を引くと、どうも良さが失われていると感じる。編集者が悪いのだろうが、諧謔を、比喩を、洒脱を凝らそうとして、失敗している。十把一絡げの〇〇芸人で勝負しなくても、十分才はあるので著作はほどほどにしても大丈夫だろう。活字から入るとマキタスポーツはめんどうくさいで、先に進まない。彼の外の道に触れてみることをお勧め。2025/08/20
おかむら
24
マキタスポーツの食べ物エッセイ。グルメと言っても普通に食べれるそこら辺の食べ物の話なので、「どこそこのアレ」とか「お取寄せのアレ」とかのもうそこで読むの(食うの)諦めたくなるタイプでないのが良いです。モスバーガーの話が好き。ちょっとまだ文章がくどいけど食エッセイの先達、東海林さだお先生を目指して精進して欲しい。流れるようにくだらないこと書いて欲しい。2025/04/15
imagine
13
著書特有の、面倒くさいほどのこだわりが好きで、出演番組を追いかけている。そのこだわりの根底には、いつも若き日の苦労や、忘れ得ぬ人、家族との日々、などの記憶がある。そして食べ物において、著者は呪縛と言ってもいいほどの習性(再利用など)と、年齢特有の淡い嗜好を自覚し、一般のセオリーを疑い、自分の「おいしい」を追求し続けている。これは自分自身の「生き方」を模索しているに等しい。志村けんの焼酎の割り方に、「混ぜたら同じになってしまう」ことを気づかされる一幕が、この本のハイライトだろう。2025/05/27
Katsuto Yoshinaga
11
有名料理店とか希少食材とかは全く登場しない、グルメというよりごく普通の食事へのこだわりが書かれている。しかし、”窒食”とか”10分どん兵衛”とか、そのこだわりが独特で妙におかしい。「孤独のグルメ」というより、「かっこいいスキヤキ」の系譜かな。私としては、バーベキューは政治的である(∵仕切り魔≒政治屋が、自分の支配下に置けそうなお人好しを選別し、みんなのためを装って指図する)とか、食べると頭が良くなると言っている大人は大概頭が悪く見えるとか、最高級コロッケ蕎麦といったあたりがツボで、結構笑わせてもらった。2025/05/22
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