内容説明
平成元年・東京、編集者が不可解な投身自殺を計る。昭和十三年・満州、〈宿命城〉へ向かう一団は行く先々で奇怪な事件に遭遇する。そして編集者の妻は五十年を隔てた時空を夫を求めて行き来することに……本格ミステリのあらゆるガジェットを投入した日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みなみ
26
上巻に散りばめられた伏線や謎が気持ちよく回収されていく。過去と現在が交錯していく世界観は独特で、かなりの文量だったけれど読了時には満足感があった。作中には海外ミステリー(yの悲劇等)や国内ミステリー(虚無への供物等)のタイトル等に触れられているところもあり、ミステリ好きには嬉しい。第55回日本推理作家協会賞受賞作とのことも納得。自分の印象としては、メフィスト賞も獲得できそうな作風。2023/04/02
yucchi
12
昭和13年の満州と平成元年の東京が、なるほどそう繋がるんだ。いやあ壮大な物語。ただ終わり方はちょっと消化不良だった。 そして解決編でいろいろ有り過ぎて私がそれを回収しきれてないという体たらく。誰かわかりやすく教えて!偉い人!2014/05/30
魔魔男爵
10
見事に本格ミステリとして結末付けます。この長さだと無駄な描写や薀蓄があるものだが、無駄は無く、全てが計算されつくした見事な本格ミステリ。ミステリの全てのガジェットが登場する、ミステリ版「ハイペリオン」 。童謡見立て殺人等の幼稚な推理小説が、人類史に存在しなければならない理由を訴える、文芸評論的歴史認識の究極のミステリ。2009/05/14
CCC
9
すごい厚みだった。ページ数じゃなく--それもあるけど、何より内容が。書くべきは書き尽くされていたと思う。アクロバットを重ねながらも最後はしっかりと着陸、そういうところに著者の本気度を感じる。2013/12/10
karatte
7
このラストは評価分かれるだろうなあというのが第一の感想。とはいえ"昭和"への鎮魂歌ともいうべき壮大なオペラであるのなら、これくらい恣意的である意味"甘い"結末でもむべなるかな。「それはお伽噺だ」と言いかける古海を遮り、強い口調で黙が言う「これは探偵小説なのです」の真摯で切実なる響きは、五十年の長きに亘り書き継がれてきた"歴史"の重みに重なる。 あと、555頁の「あなた」がどうしても気になる。直前の"古海さん"を荻野目の誤植と読むべきなのか、さもなければ頁を捲っている読者を指してでもいるのか……?2012/08/18
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