台湾文学の中心にあるもの

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台湾文学の中心にあるもの

  • ISBN:9784781624150

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内容説明

政治、そして多様性、
台湾では文学が現実に人と社会を動かし続けている。

激動する歴史の中で、文学が社会を動かし、文学が人のパワーの根源となっている台湾。日本語で読める約50作品を紹介しながら、政治に翻弄されつつも、必死に格闘し、社会に介入してきた台湾文学を読み解き、その全貌を示す!

・著者メッセージ
台湾文学の中心にあるものは政治である。斎藤真理子『韓国文学の中心にあるもの』(イースト・プレス、2022年)は、私たち外国文学研究者に、自身の研究対象の文学の中心にあるものが何かという問いを突き付けた。「政治」、これが台湾文学研究者の現時点での私の答えだ。もちろん、文学は一様ではない。「〇〇文学の中心にあるのは××だ」と決めつけてしまうのは、傲慢である。恐らく、世界中の文学をすべて読んだ読者にしか言う資格はないだろう。何より、文学は、個人的なものであり、国家に紐づけされ存在しているものではない。だが、一方では、文学が国家に紐づけされることに、あるいはされないことに苦悩してきた文学もある。それが台湾文学だ。(「はじめに」より)

【目次】
はじめに─日本文学には政治が足りない?
第1章 同性婚法制化への道は文学から始まった
第2章 女性国会議員が40%以上を占める国の文学の女性たち
第3章 文学は社会を動かし、その瞬間をアーカイブし続けてきた
第4章 日本統治期が台湾文学にもらしたもの
第5章 ダイバーシティな台湾文学の表記と翻訳の困難
おわりに─台湾文学の中心にある政治との対話を経て
あとがき
本文脚注
主要参考文献
本書で取り上げた台湾文学作品
台湾年表
台湾の基礎知識
台湾文学マップ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイティ

28
同シリーズの韓国は主軸が「戦争」だったが、台湾は「政治」。文学が国家に紐付けされ、同時にされないための格闘してきたのが台湾文学だという。日本統治からの解放後に世界最長の38年間もの戒厳令が布かれ、1987年までは自由や民主化運動は弾圧されていた。その後、LGBTQや反共など多様なアイデンティティを語る文学が発展していく。台湾人であること、歴史を振り返り「郷土」とは何かを問い続ける姿勢は現代に続いている。著者が研究者なだけあり、複雑な言語構造の解説や年表など専門性の高い濃密な1冊。まずはもっと読まなくては。2025/03/04

ののまる

9
韓国文学の中心に〜の方は翻訳家の斎藤さんだからとても文章がこなれていてスッと入ってきたのだけど、これは学者さんってこともあるのか、んーーって感じ。新移民の話は最新情報に近くて、そういう新しい動きがあるんだなと。2025/02/11

ichigomonogatari

6
台湾文学約50作品を紹介しながら、台湾文学の社会的、歴史的、言語的な背景を解説する本。激動の歴史・社会に翻弄されながら書かれた台湾文学は同時に社会に影響を与えてきた。移民国家である台湾では、その時々の統治者によって使う言葉が決められてきた。現在、話し言葉は多様な台湾だが書き言葉はほぼ中国語だという。の本を読み、台湾文学の中心にあるものは「政治」だ、ということがよくわかり、また日本人は日本が台湾を50年間植民地にしていたことを忘却し、向き合おうとしてこなかったことにも気付かされた。2025/07/19

salvia

2
読後、「熱い」というのが先ず頭に浮かぶ言葉。「何語で書くのかという言語の選択自体がすでに政治的な営み」。多様な言語を推進する台湾の懐の深さに驚かされた。また日本人が勝手な解釈をしている統治時代についても、知ろうとしなかったことも含めて、考えさせられることが多かった。先ずは呉明益から読みたいと思う。2025/08/01

ebi_m

1
まだ台湾漫遊鉄道くらいしか読んでいないが、政治が重要なファクターで、言語的に複雑で、その原因の一端はもちろん植民地支配を行った日本にあり、ということを知った。近年日本語での訳書の刊行が増えていて、国語の教科書にも採用されたらしい。読んでみたい2025/11/28

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