世代とは何か

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世代とは何か

  • ISBN:9784750518589

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内容説明

【推薦】中島岳志さん(政治学者)
「生者は死者と未来の他者を、同じテーブルに呼び集めて、対話しなければならない。」


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──地球規模の危機を乗り越え、未来を確かなものにするために、わたしたちは何をすべきか。

巨大な危機に直面したいま、私たちは「古いやり方」に立ち戻る必要がある、とインゴルドは唱える。
古来、脈々と紡がれてきた「知恵」とは、いったいどのようなものだろうか?

ティム・インゴルド思想のエッセンスを総動員して語られる、希望の書。

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ティム・インゴルドは、私たちが直面している惑星規模の危機に対処するために、世代をめぐる考え方をひっくり返そうとします。
そのために、複数の世代が祖先の道に沿ってともに生き、ともに働くことによって、自らと子孫たちにとっての未来を確かなものにするという失われてしまった考えを、私たちのうちに再び取り戻そうとするのです。──奥野克巳


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【目次】
 日本の読者のみなさまへ
 まえがき

第1章 世代と生の再生
 親子関係
 系譜学的モデル
 相続と持続性

第2章 人の生涯[ライフコース]をモデル化する
 年を取り、子をなす
 歴史の天使
 釣鐘曲線
 生と死

第3章 道を覚えていること
 薄層で覆われた地面
 過去からの道
 アーカイブからアナーカイブへ
 懐かしむこと

第4章 不確実性と可能性
 呪いを解く
 くぐり抜けながらおこなう
 注意の構造
 驚愕と感嘆

第5章 喪失と絶滅
 種のカタログ
 子をなすことの系譜
 人種と世代
 保全と、ともに生きること[コンヴィヴィアリティ]

第6章 人類を再中心化する
 人間を超えて、人間する[ヒューマニング]
 例外主義の告訴
 進歩と持続可能性
 群れとタービンについて

第7章 教育のやり方
 学究的な姿勢
 理性と応答可能性
 新しい人々、古いやり方
 知恵と好奇心

第8章 科学技術の後に
 STEMからSTEAMへ
 科学とアーツ
 デジタル化と手先仕事
 結び

 解説に代えて
 原注

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

66
人類が連綿と続く「世代」を論じた人類学者ティム・インゴルドの翻訳。「人新世」「多様性」「SDGs」のキーワードをもってくると、わかるような気がしたが、何を論点にしているのか理解できないままに読み終える。世代を途絶えることなく未来に続く人類のことを論じているのはわかるが、論点が先へ先へと間延びてして、トカゲのしっぽ切りのような言葉がニョキニョキ出てきて、文章を追うだけで非常に疲れる本である。それでも、〈科学技術の後に(STEMからSTEAMへ)〉の章だけは面白かった。→2025/04/22

chiro

1
「世代とは何か」という表題からどういう内容の著作だろうかと思って読み進めたが、現在の社会的な課題や環境問題に関して我々は科学によるイノヴェーションによってそれを克服しようとしているが、著者はそのアプローチに対して疑義を唱えており、むしろ過去の先代の教えに習って課題に取り組むべきであると。ある意味脱成長的な意見にも思えるがこの論の中にこれから世界の人口がますます増えていく中で今の社会の仕組みを過去に戻すということは理論としてはあり得ても現実的には難しいのではないかと感じた。2024/10/23

中村蓮

0
後半のSTEM、STEAM教育批判は、私自身感じていた違和感を言語化してもらったようで、非常に納得できました。要するに、STEM、STEAM教育は、教育を、本来企業がすべき彼らにとって使い勝手がいい人材育成の下請けに貶めて、「イノベーション」で全地球を有毒なガラクタで埋め尽くすだろうということでしょう。ジェネレーション(世代・生成)とイノベーションの関係についても考えると面白そうです。 2025/06/21

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