内容説明
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人気シリーズ「乙女の本棚」第45弾は、文豪・森鴎外×イラストレーター・今井キラのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
「わたくしの杯は大きくはございません。それでもわたくしはわたくしの杯で戴きます」
夏の朝、温泉宿から泉に向かう七人の少女たち。そこで、彼女たちとは様子の異なる第八の少女と出会う。
森鴎外の名作が、乙女心をくすぐる作品で知られ、本シリーズでは太宰治『待つ』、『女生徒』を担当するイラストレーター・今井キラによって描かれる。名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寂しがり屋の狼さん
56
【乙女の本棚】シリーズ44冊目📚️著者は本シリーズでは初となる森鴎外。挿絵は『待つ』、『女生徒』など独自の空気感のあるイラストを描く今井キラさん。(◕ᴗ◕✿)泉を訪れた、八人の少女の物語。2025/03/20
ぐうぐう
32
試されているようで、実は自由な読み方が可能な懐の深い小説のように思える。第八の少女の登場は、確かに不穏であり、不協和音として物語を乱してはいるが、その静かな水面に落とされた一滴の小さな異物が起こす波紋は、波紋こそが本来の世界のデザインであるかの如く、屹然としている。それでいて、七人の少女達を否定していない。今井キラの画は、そこのところを充分に理解した、だからこそのキュートさと穏やかさを放っている。2025/02/20
☆ひとこぶラクダちゃん☆
11
お話の舞台は、温泉宿から泉に向かう夏の朝。揃いの藍色の湯帷子、黒髪に赤いリボン、大きな銀色の杯、七人の少女が泉の水を飲む。それを覗き見る者がいる。黄金色の髪、黒いリボン、鼠色の洋服、黒ずんだ小さな杯を持った一人の少女。すべてが対照的な少女たち、謎に満ちたこのお話は、何を表しているのでしょうか。森鴎外の短編小説。優しい色合いが美しい魅力的な絵本です。『乙女の本棚シリーズ』皆さんも是非お手にとってみてください。2025/04/15
しかちょう
10
#森鷗外 #今井キラ #杯 #乙女の本棚 #立東舎 #読了 夏の朝に温泉宿から7人の少女たちが泉に向かう そこで14,5歳の第八の少女と出会う 彼女は皆が持つ銀の杯ではなく黒い小さな杯を出す あたいのを貸そうかしら 素敵なイラストが毎ページ出てくるので とても楽しく素敵 杯で水を飲むとは、なに?2025/04/20
梅みかん
10
表紙に惹かれて、乙女のシリーズを初めて読んでみた。 七人の少女と八人目の少女が何を表しているのか、全体として何を伝えたいのか、解釈の余地がある。今井キラさんの絵が短編への理解を助けてくれている。2025/02/23