内容説明
千年の都にして日本最古の観光地・京都には、平安や幕末のみならず、あらゆる時代の痕跡が息づいている。この地に暮し、日々、自転車で身近な歴史の痕跡を考察してきた直木賞作家が、季節の便りや日常のニュースから思いも寄らぬ史話を掘り起こし、紡ぐ50のエッセイ。京都の解像度が上がる知的興奮の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
151
京都の名所旧跡や神社仏閣の由来を紹介する本は多いが、文学や歴史、芸能や料理などとの関係などはほとんど記述されない。日本最大の観光地だけに本来そんな話は山盛りのはずが、この種の本がなかったのが不思議に思える。江戸時代はメシマズの地とされたが、戦後の旅客増に伴い京料理が創作された。生八ッ橋「夕子」は水上勉の小説から採られ、薪能の火入れ式は五輪の聖火台点火をヒントに思いつき、自殺や自由という言葉は平安初期からあったなど意外な事情は思わぬ視点を提供してくれる。観光とはその土地に生きた人の心を知ることと頷かされる。2025/11/26
たま
92
私自身京都に10年以上住んでいたが、その間全く観光しなかったので、澤田さんの立ち位置は良く分かり面白く読んだ。「京料理」とか「小京都」のようなレッテルに懐疑的で通説―と言うかメディアが作ったイメージに対し史料をひいて反論する、いかにも真面目な澤田さんらしい京都案内。歴史の知識は半端ないがそのうえで平安時代が舞台の大河ドラマについて「誰も知らぬ過去と時代の推移を生き生きと展開している点において『楽しくだまされる』嬉しさを覚えた」とは歴史小説家ならではの言葉で、大賛成です。2025/12/11
クプクプ
76
私は、京都にも歴史にも疎いですが、京都における高瀬川の存在や、金閣寺へ地元の方は、滅多に行かない、など、勉強になりました。澤田瞳子さんが、時代劇が好きで、特に松平健さんに憧れをもっていることを知り、意外性と説得力を感じました。また、京都が舞台の大河ドラマ「光る君へ」には、特別な思い入れを持って鑑賞された話もよかったです。これで、私は澤田瞳子さんのエッセイを三冊読んだことになります。私は、歴史小説に不勉強で、澤田瞳子さんを師匠に、ここ数年、深めてきましたが、これからは、他の作家も読み、広げていきます。2025/04/02
さつき
67
歴史小説家澤田瞳子さんの京都にまつわるエッセイ。寺社やホテル、有名観光スポットのあれこれや小説でもお馴染みの歴史的有名人のエピソードなど楽しく読みました。澤田さんが初めて鎌倉、三浦半島を訪れた回もあり、私にとって身近な場所にも触れられていて親近感も湧きました。2025/04/14
pohcho
63
「週刊新潮」連載エッセイの書籍化。直木賞作家なのに、いまだに母校で事務のアルバイトをされている澤田さん。一週間程度の旅なら荷物はリュックひとつとか、歩くのがお好きとか、その飾らないお人柄に惹かれる。歴史に関する話題は豊富で多岐にわたり、知らない話も多かったがとても興味深く読んだ(頼朝の父がお風呂で殺された話が凄まじい)生八つ橋、阿闍梨餅、水無月など、京都のお菓子の話も楽しかった。お汁粉大食いチャレンジとか、昔の旗本や軍人の甘党エピソードが微笑ましい。豆政の水無月はいつか食べてみたい(京都行きたいなあ)2025/05/09
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