内容説明
千年の都にして日本最古の観光地・京都には、平安や幕末のみならず、あらゆる時代の痕跡が息づいている。この地に暮し、日々、自転車で身近な歴史の痕跡を考察してきた直木賞作家が、季節の便りや日常のニュースから思いも寄らぬ史話を掘り起こし、紡ぐ50のエッセイ。京都の解像度が上がる知的興奮の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぶ
74
とても楽しいエッセイ集だった。タイトルから京都のガイドブック的な本だと捉えると、全く違っていて、澤田さんの深い歴史への蘊蓄に根差して、最近の出来事にも絡めながら、京都で生まれ育って、そのまま京都に住み続けて活動していて、いつも動き回っている様子が伺えるようなことや、そういう普段着の中で思い出した話題を少し掘り下げるという感じの内容で、今まで謎めいていた疑問を紐解いてくれる。一方で澤田さんも京都に関してのエッセイを数冊読んだ中では、一番硬派のものだったとも感じた。これからの小説も楽しみに待ちたい。2025/04/19
クプクプ
73
私は、京都にも歴史にも疎いですが、京都における高瀬川の存在や、金閣寺へ地元の方は、滅多に行かない、など、勉強になりました。澤田瞳子さんが、時代劇が好きで、特に松平健さんに憧れをもっていることを知り、意外性と説得力を感じました。また、京都が舞台の大河ドラマ「光る君へ」には、特別な思い入れを持って鑑賞された話もよかったです。これで、私は澤田瞳子さんのエッセイを三冊読んだことになります。私は、歴史小説に不勉強で、澤田瞳子さんを師匠に、ここ数年、深めてきましたが、これからは、他の作家も読み、広げていきます。2025/04/02
さつき
64
歴史小説家澤田瞳子さんの京都にまつわるエッセイ。寺社やホテル、有名観光スポットのあれこれや小説でもお馴染みの歴史的有名人のエピソードなど楽しく読みました。澤田さんが初めて鎌倉、三浦半島を訪れた回もあり、私にとって身近な場所にも触れられていて親近感も湧きました。2025/04/14
pohcho
60
「週刊新潮」連載エッセイの書籍化。直木賞作家なのに、いまだに母校で事務のアルバイトをされている澤田さん。一週間程度の旅なら荷物はリュックひとつとか、歩くのがお好きとか、その飾らないお人柄に惹かれる。歴史に関する話題は豊富で多岐にわたり、知らない話も多かったがとても興味深く読んだ(頼朝の父がお風呂で殺された話が凄まじい)生八つ橋、阿闍梨餅、水無月など、京都のお菓子の話も楽しかった。お汁粉大食いチャレンジとか、昔の旗本や軍人の甘党エピソードが微笑ましい。豆政の水無月はいつか食べてみたい(京都行きたいなあ)2025/05/09
エドワード
44
京都生まれ京都育ちの歴史小説家、澤田瞳子さん、親しみを感じずにはいられない。この街のどこかですれ違っているよね、きっと。彼女が左利きというのも嬉しい!微細に描かれる作品同様、エッセイも冷静に本質をついている。歴史なら「歴史は残り物でできている」本当だ。道長の「この世をば」の歌は実資の小右記にのみ残る。小右記がなければ?「自殺も自由も日本後紀にある」明治じゃないのだ。観光都市で地方都市に住む人々は、めったに金閣寺へ行かない、京料理は食べない、桜も紅葉も近所で済ます。本の題名「京都の歩き方」、車はダメだよ。2025/04/15
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