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内容説明
文明の衝突こそが来るべき時代の世界平和にとって最大の脅威。世界戦争を防ぐための最も確実な安全装置は、文明に基づいた国際秩序にある――。世界を西欧・中国・日本・イスラム・ヒンドゥー・スラブ・ラテンアメリカ・アフリカの八つの文明に分け、様々な紛争を、異文化間の衝突と捉えた衝撃的仮説。西欧への挑戦を続ける「儒教―イスラム・コネクション」は核拡散の深刻な危機を招くのか? どちら側にも入れない日本は? 世界的な国際政治・戦略学者の著者が、激動する世界の針路を指し示す羅針盤は国際政治論の金字塔として輝き続ける!
目次
第四部 文明の衝突
第八章 西欧とその他の国々:異文化間の問題点
第九章 諸文明のグローバル・ポリティックス
第十章 転機となる戦争から断層線の戦争まで
第十一章 フォルト・ライン戦争の原動力
第五部 文明の未来
第十二章 西欧とさまざまな文明と単数形の文明
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わたなべよしお
19
今こそ、改めて読む本だろう。もちろん、西欧文明の優越を信じているんじゃないかと思われる部分もあり、やや鼻につくところもないわけではないが、ミャンマーのロヒンギャ、スペインのカタルーニャなどにアプローチする時、著者の主張が参考になることは間違いない。最後の方に書かれていた世界戦争の想定は今からみれば大外れもあるけれども十分、現実的だと感じた。2017/10/04
奏市
8
やっと読み終わった。文章量多いし、内容難しいし、なかなかに疲れた。大学時代の授業でよく耳にしてた本で、国際政治学での世界的名著が文庫になっていたので、気軽に買ってみたが、気軽に読めるものではなかった。文明と文明は相容れることなく、最悪の場合、お互いに破滅する戦争に至るという考えを中心に書かれており、相容れないとは認めたくないが、認めざるを得ない論証が成されている。9.11に至る背景が以前よりはわかった。こうした見方によると、いかに日本が孤立した国、文明であり、いかに平和が不安定なものかを思い知らされた。2019/07/20
ふぁきべ
7
議論として興味深いし、彼の指摘している点で現在の状況に当てはまっている点もあり、先見の明もあったように思うが、個々の議論を見ていくと首をかしげざるを得ない部分が多かった。彼が20年前に予測していた、反西欧の動きがイスラム国家で広がるという点では確かに正しかった。ただ、民主主義や人権、個人主義などが西欧発信のもので、それに対して反感が広がり、アジアやその他地域固有のものに対する帆自信をそれらの国が深めていくというような議論は、側面的にしか物事を見ていなかったか、とりわけアジアの国々に対する理解がかけていた2017/09/26
ゆう
5
文体になれたのか上巻より読みやすかった。下巻はイスラム多めかな?当たっているところ、そうでもないところ色々ですが興味深く読めました。2025/05/30
shiggy
3
西欧文明を一つ上に置いた議論展開はあまり面白いものではないが、文明という視点で世界を切り取ると、見え方が変わる。20年以上前の著作なので、全体的に古いが、日本が孤立した文明というのは、ハッとさせられる事ではあった。2023/08/14