内容説明
もしも時間を巻き戻せたら、母になることを再び選びますか――? この問いに「ノー」と答えた23人の女性たち。そのインタビューから明らかになったのは、社会が暗黙のうちに強いる性別役割と同調圧力、そして封じられてきた母親の苦悩や不安だった。子どもを愛している。それでも、母ではない人生を願う。「存在しない」ものとされてきた思いを丁寧にすくいとり、各国で大反響を呼んだ一冊。(解説・村井理子)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
❁Lei❁
14
私は昔からぽぽちゃん人形などに興味がない人間でした。本書では、そのような「根本的に、最初から、母親になりたくなかった」(たとえ経済的状況や環境が整っていたとしても、はなから母になる気はない)という意見がしっかり掬われておりホッとしました。「将来子どもがいないと後悔するぞ」なんて、まるっきりでたらめの脅迫なんですね。いま知ることができてよかった。この本は、実際に母親である人を癒すと同時に、ライフステージの移行に直面して悩んでいる人の羅針盤にもなると思います。自由で主体的な選択をするためにとても役立つ本です。2025/05/27
酩酊石打刑
12
最近は二人の子どもが、自分の子だったんだと思うことがある。何とも無責任なと詰られそうだが。どうもわたしは、共に生活をしている妻の子どもだという迂回した理解しかできない。フェミニストから非難されそうだが。またわたしの母親はいつまでたってもわたしを母子関係としてしかみていなくて鬱陶しく感じたことがある。それぞれの依存をなくし自立することが必要だと思ってしまう。しかしながら、〈母親〉という呪縛に縛られた女性たちの問題は複雑だ。それを細かく丹念に概念化することなく、長年寄り添って考察している著者の姿に感服した。2025/06/11
すず
7
国を越えて、年代を越えて共感できる部分がたくさんあった。 子供を産まなかったらどうだったかと空想する。 私だけがおかしいのかと思っていたけど、読み終えた今はみんな何かしら思うことはあるんじゃないかという思い。表に出すかどうかだけの差で。 過去に戻ったら産むかどうかの問いには、私は「産む。そして同じように後悔する。」と答える。 これもまた一つの答えであり、同意する人がいるだろう。私はフェミニストではなく、ただのオバサンだけど、個としても生きてるのだ。2025/11/02
てくてく
7
日本よりもある意味で子を持つことへのプレッシャーが強いのであろうイスラエルにおいて、母親になったことを後悔している女性へのインタビューを通じて、母になった後悔についての個人的・社会的意味を考察した書。「子どもなんて嫌いなのよ」という言葉を聞いて育った私には、その母の言葉が何度も頭の中に響いて辛い読書ではあった。2025/06/12
1700
6
難しい表現が多くインタビュー中心に拾い読み。 ここまで微細に論理的に書かないと、子どもを傷つけてしまうかも、社会に後ろ指刺されるかも…心配だらけで、一言「後悔してる」も言えない母親業は本当に大変すぎる!と思った。 父親は何なら逃げてしまう人すら居るのにね。物語で数年間姿をくらまして(子育てをすべて母親である妻に押し付けて)ひょっこり戻ってくる父親像はあるけど、逆の事を母親がしたら鬼婆扱い、というかフィクションですら笑い話にできないくらいの社会圧があると思う。2025/11/30
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