内容説明
もしも時間を巻き戻せたら、母になることを再び選びますか――? この問いに「ノー」と答えた23人の女性たち。そのインタビューから明らかになったのは、社会が暗黙のうちに強いる性別役割と同調圧力、そして封じられてきた母親の苦悩や不安だった。子どもを愛している。それでも、母ではない人生を願う。「存在しない」ものとされてきた思いを丁寧にすくいとり、各国で大反響を呼んだ一冊。(解説・村井理子)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バーニング
4
流し読みのような感じでざっと読んだ部分も多いが、わりと頻繁にホックシールドが引用されるのは面白かった。著者のバックボーンも社会学だが、心理学、精神分析、ソーシャルワーク、フェミニズム等々の先行研究織り交ぜながらの本なのでかなり硬派には作られている。その上で多くのイスラエルの母親の語りが収録される事で、新自由主義と資本主義の世界の中で置き場所のない感情を抱え続けていることがよくわかるのである。もっとも自分のような独身男性がこの本に手を伸ばすのは難しいだろうという感想も持ったが、内容的には男性も読むべき一冊。2025/03/13
さきこ
2
母親になって後悔している、と表明する女性たちへのインタビュー。タブー化するのはおかしい、という考えには同意だが、実の子のことを考えると、発信には慎重にならざるを得ない。 結婚しても、離婚すればいい。家を買っても、売ればいい。しかし、子供を持ったら、捨てるわけにはいかない。この不可逆性が子育ての問題を難しくしていると思う。2025/03/29
Go Extreme
1
母になることは自分のためではなく誰かのために必要だった 母であることの後悔は、語ること自体が攻撃される 子どもはすべてを察している 子どもを持つことは必須じゃないと伝える 母になることは「自然な成り行き」とされがちです 良き女性・市民、良きパートナーになるためには、母になることが必須 私は標準的でありたいという欲望の方が、母や祖母でありたいという欲望よりも強いのです 母になったことを後悔する、という事実自体が、どれほど語られることを許されてこなかったか 私は間違いを犯した。その代償を払わなければならない2025/04/04