新潮文庫<br> 母親になって後悔してる(新潮文庫)

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新潮文庫
母親になって後悔してる(新潮文庫)

  • ISBN:9784102407417

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内容説明

もしも時間を巻き戻せたら、母になることを再び選びますか――? この問いに「ノー」と答えた23人の女性たち。そのインタビューから明らかになったのは、社会が暗黙のうちに強いる性別役割と同調圧力、そして封じられてきた母親の苦悩や不安だった。子どもを愛している。それでも、母ではない人生を願う。「存在しない」ものとされてきた思いを丁寧にすくいとり、各国で大反響を呼んだ一冊。(解説・村井理子)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

❁Lei❁

13
私は昔からぽぽちゃん人形などに興味がない人間でした。本書では、そのような「根本的に、最初から、母親になりたくなかった」(たとえ経済的状況や環境が整っていたとしても、はなから母になる気はない)という意見がしっかり掬われておりホッとしました。「将来子どもがいないと後悔するぞ」なんて、まるっきりでたらめの脅迫なんですね。いま知ることができてよかった。この本は、実際に母親である人を癒すと同時に、ライフステージの移行に直面して悩んでいる人の羅針盤にもなると思います。自由で主体的な選択をするためにとても役立つ本です。2025/05/27

酩酊石打刑

10
最近は二人の子どもが、自分の子だったんだと思うことがある。何とも無責任なと詰られそうだが。どうもわたしは、共に生活をしている妻の子どもだという迂回した理解しかできない。フェミニストから非難されそうだが。またわたしの母親はいつまでたってもわたしを母子関係としてしかみていなくて鬱陶しく感じたことがある。それぞれの依存をなくし自立することが必要だと思ってしまう。しかしながら、〈母親〉という呪縛に縛られた女性たちの問題は複雑だ。それを細かく丹念に概念化することなく、長年寄り添って考察している著者の姿に感服した。2025/06/11

てくてく

7
日本よりもある意味で子を持つことへのプレッシャーが強いのであろうイスラエルにおいて、母親になったことを後悔している女性へのインタビューを通じて、母になった後悔についての個人的・社会的意味を考察した書。「子どもなんて嫌いなのよ」という言葉を聞いて育った私には、その母の言葉が何度も頭の中に響いて辛い読書ではあった。2025/06/12

バーニング

5
流し読みのような感じでざっと読んだ部分も多いが、わりと頻繁にホックシールドが引用されるのは面白かった。著者のバックボーンも社会学だが、心理学、精神分析、ソーシャルワーク、フェミニズム等々の先行研究織り交ぜながらの本なのでかなり硬派には作られている。その上で多くのイスラエルの母親の語りが収録される事で、新自由主義と資本主義の世界の中で置き場所のない感情を抱え続けていることがよくわかるのである。もっとも自分のような独身男性がこの本に手を伸ばすのは難しいだろうという感想も持ったが、内容的には男性も読むべき一冊。2025/03/13

iroiro

3
子どもは、好きではなかったのに、教師になって、子どもも3人いる。そんな私にこのタイトルは大変興味深かった。仕事を続けていくには、子育ては正直妨げとなることが多かった。それでも、自分より大切な人、3人の子どもの存在は私を支えてくれたし、自分の思うようにいかないことがたくさんあると教えてくれた。 子どもを愛していないのではない。母になったことを後悔していると発言できることの意味を噛みしめる。母性があって当たり前ではない。表紙の女性の青い顔が「あなたは、もう一度母になる事を選びますか?」問いかけてくる。 2025/05/12

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