増補新版 韓国文学の中心にあるもの

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増補新版 韓国文学の中心にあるもの

  • 著者名:斎藤真理子【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • イースト・プレス(2025/02発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784781624167

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内容説明

なぜハン・ガンは、アジア人女性として初めて、ノーベル文学賞を受賞したのか?

・内容紹介
大きな話題を呼んだ原著に、この2年、激動する韓国文学の重要作の解説を加筆、40頁増の新版登場! 韓国文学は、なぜこんなにも面白く、パワフルで魅力的なのか。その謎を解くキーは「戦争」にある。

・著者メッセージ
本書の初版は二〇二二年七月に刊行された。その後二年と少しの間に、新たに多くの韓国文学が翻訳出版された。増補新版ではその中から注目すべきものを追加すると同時に、初版時に紙幅の関係などで見送った作品にも触れることにした。特に「第7章 朝鮮戦争は韓国文学の背骨である」の章に多くを追補している。
その作業を進めていた二〇二四年十月に、ハン・ガンがアジア人女性として初のノーベル文学賞を受賞した。本書を読めば、ハン・ガンが決して孤立した天才ではなく、韓国文学の豊かな鉱床から生まれた結晶の一つであることがわかっていただけると思う。
海外文学には、それが書かれた地域の人々の思いの蓄積が表れている。隣国でもあり、かつて日本が植民地にした土地でもある韓国の文学は、日本に生きる私たちを最も近くから励まし、また省みさせてくれる存在だ。それを受け止めるための読書案内として、本書を使っていただけたらと思う。(「まえがき」より)

【目次】
まえがき

第1章 キム・ジヨンが私たちにくれたもの
第2章 セウォル号以後文学とキャンドル革命
第3章 IMF危機という未曾有の体験
第4章 光州事件は生きている
第5章 維新の時代と『こびとが打ち上げた小さなボール』
第6章 「分断文学」の代表『広場』
第7章 朝鮮戦争は韓国文学の背骨である
第8章 「解放空間」を生きた文学者たち
終章 ある日本の小説を読み直しながら

あとがき
増補新版 あとがき

本書関連年表
本書で取り上げた文学作品
主要参考文献

【関連ワード】
韓国文学 ハン・ガン キム・ジヨン ノーベル文学賞 フェミニズム 戦争 朝鮮戦争 82年生まれ 外国文学 BTS チョ・ナムジュ ファン・ジョンウン フィフティ・ピープル チョン・セラン

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

107
今、韓国文学ブームらし。ハン・ガン好き。 他にもいろいろ読んでみたい作品が紹介。 朝鮮戦争が背後に大きく。 力作良書。2025/09/04

まーくん

82
柄にもなく文学論のような本に手を出してしまった。著者斉藤真理子さんは、あの切れ味鋭い批評で有名な文芸評論家の斉藤美奈子さんの妹さんらしい。そんな次第で、ハン・ガンも読んだことはなく韓国文学に馴染みがないのに偶々書店で出会い、購入してしまった。これは単なる文学論ではなく韓国社会から見た韓国現代史だ!セウォル号事件、IMF危機、光州事件、維新の時代(朴正煕独裁政権)そして韓国文学の背骨である朝鮮戦争へと時代を遡り、その時々の社会の動きを映す文学作品と著者、そして時代の荒波に翻弄される民衆の叫びを甦させる。⇒2025/05/20

yumiha

45
「ベルリンの壁崩壊の後、眠られない夜が続きました」という韓国旅行の際のバスガイドさん(日本で教育を受けた)の言葉がいまだに残っている。当時(約30年前)の私は、朝鮮戦争で親戚や一族が離れ離れになった苦しみを想像した。だが、朝鮮戦争の傷跡はそれだけではなかった。①国土のほとんどが戦場となり逃げ回る苛烈な地上戦②イデオロギー戦争、と本書によって教えられ、もっと深く重い述懐だったのだと知った。そして済州島事件、光州事件、セウォル号事件などを通して、社会⇔個人を浮き彫りにしてきた数々の韓国文学の凄みを思う。 2025/05/06

かふ

20
「高橋源一郎の飛ぶ教室」で紹介されていたが、偶然にも借りていた。ハン・ガンのサブテキストぐらいに思っていたのだが、韓国文学史を韓国の歴史から紐解いていく。日本でも話題になったチョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジオン』からハン・ガンのノーベル賞まで疑問が解けた感じである。チョ・ナムジュの本は豊かになった韓国社会とそれでも幸せになれない女性のトラウマを描いているのだが、それから韓国のフェミニズムはさらに過激になっていくのだ。そこには韓国では朝鮮戦争がまだ継続中のリアルさがあった。2025/02/08

yyrn

16
「韓国文学の中心にあるもの」という表題のとおり、韓国の現代小説には、長年、韓国が隣国の干渉にさらされ、他国に支配され、常に何らかの抑圧を受けてきた歴史や危機感がベースにあると言い、その歴史や危機感が小説にどう反映されて、韓国人の人々に受け入れられ、今も読み継がれているのかを分かり易く教えてくれる本だった。章立てがそれをよく表している。▼キム・ジョンが私たちにくれたもの/セウォル号以後文学とキャンドル革命/IMF危機という未曽有の体験/光州事件は生きている/維新の時代と「こびとが打ち上げた小さなボール」/⇒2025/10/08

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