内容説明
オークの年輪、ヤマシギのダンス、夏の川がつくるビロードの草地……。生態学的知識を携えて観察し、土地へのたゆまぬ愛と尊敬を捧ぐエッセイは、アメリカの自然をみずみずしく描き出して環境運動のバイブルとなった。同時に本書は、適切な自然管理・保護とはなにか、自然への感受性を高めるためにはどうしたらよいかといった課題にも対峙する。その答えを倫理に求め、共同体という概念の枠を土壌や水、植物、動物までを含む土地全体に広げる「土地倫理」を提唱した。ソローの著作と並び立つ環境倫理学の古典。
目次
はじめに/I 砂土地方の四季/一月/一月の雪解け/二月/良質のオーク/三月/帰ってきたガン/四月/洪水よ、来たれ/イヌナズナ/バー・オーク/空中ダンス五月/アルゼンチンからの帰来/六月/ハンノキ合流点──ある釣りの詩/七月/大いなる領地/草原の誕生日/八月/緑なす草地/九月/コーラスの響く雑木林/十月/くすんだ黄金色/早朝の楽しみ/赤いランタンの輝き/十一月/もしも風なら/斧を手にして/堅固な要塞/十二月/行動範囲/雪に立つマツ/六五二九〇番II スケッチところどころ/ウィスコンシン/湿地帯挽歌/砂土地方/遍歴の旅/リョコウバトの記念碑について/フランボーイリノイとアイオワ/イリノイのバスの旅/もがく赤い脚/アリゾナとニューメキシコ/頂上台地/山の身になって考える/エスクディーアチワワとソノーラ/グアカマハ/緑色の潟/ガヴィランの歌/オレゴンとユタ/チートの進出/マニトバ/クランデボーイ/III 自然保護を考える/自然保護の美学/アメリカ文化における野生生物/原生自然/残された宝/レクリエーションのための原生自然/科学のための原生自然/野生生物のための原生自然/原生自然の守り手たち土地倫理/倫理拡張の筋道/共同体の概念/生態学的な良心/土地倫理の代用品/土地ピラミッド/土地の健康とA・B分裂/展望訳者あとがき/講談社学術文庫版訳者あとがき/講談社学術文庫版解説(三嶋輝夫)/ちくま学芸文庫版解説(太田和彦)
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