女性とマンガ - 日本・アジア・欧米の自由と規制を切り開く

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女性とマンガ - 日本・アジア・欧米の自由と規制を切り開く

  • 著者名:大城房美/長池一美
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • 青弓社(2025/01発売)
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  • ISBN:9784787235503

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内容説明

2000年代以降、日本のマンガ作品は海外でMANGAという言葉を生み出すほど大きな影響力をもち、各国・各地域で受容されて、独自の文化として読者に親しまれている。

一方で、日本の特に少女マンガは女性をエンパワーメントしながら性や暴力への問題提起を表現に織り込んできたため、規制の不十分さが批判されもしてきた。マンガは、自由に主体性を表現するグローバルな文化として、このまま定着し発展していけるのだろうか。

本書では、萩尾望都への25,000字超のインタビューを筆頭に、自由と規制という切り口を軸にして、SNSのエッセイマンガ、有害図書論争、成人向けマンガなどを検証する。また、香港・マレーシア・シンガポール・フィリピンなどのマンガ家との対話を積み重ね、BLマンガや規制の実態も浮き彫りにする。さらに、アメリカの図書館員やアーティストの貴重な聞き書きも収める。

グローバルな展開をみせるマンガと女性をめぐる主体的な表現の可能性や葛藤を、表現者へのインタビューと研究者の論考から立体的に描き出す。

目次

はじめに――なぜ女性か、そしてマンガなのか 大城房美

第1部 女性とマンガ

第1章 インタビュー:少女マンガと自由――破壊と挑戦の半世紀 萩尾望都 聞き手:大城房美/米村典子

第2章 少女マンガの不自由への挑戦――参加者は誰だったのか、そして誰なのか 大城房美
 1 1970年代前後の少女マンガ
 2 「少女」という縛り――萩尾望都の場合
 3 近代社会での女性の制限と自由を育んだ装置としての「少女」
 4 少女マンガの不自由への挑戦――少女マンガを超える
 5 マンガを描くのが楽になったと感じられる時代、1990年代
 6 描きたいものを描く――男女で分ける必要がない時代へ
 7 少女マンガの挑戦――なぜ少年か
 8 グローバル化と少女マンガ的なもの(Shoujomanga-Esque)

第3章 SNSにおけるエッセイマンガ――女性の主体性表現の場とメディア的条件 竹内美帆
 1 SNSのエッセイマンガ
 2 「カジュアルな描き手」によるエッセイマンガの特徴
 3 個人が「マンガ」を制作すること――2010年代以降のメディア状況
 4 女性の多様な活動の場としてのSNSの可能性

コラム 少女はどんな服を着るか 米村典子

第2部 異文化をつなぐマンガ

第4章 Kaoruへのインタビュー Kaoru(マレーシア:コミックスアーティスト) 聞き手:大城房美/チェン・ジュウ/長池一美/杉本バウエンス・ジェシカ[中川裕二訳]

第5章 テレサ・ワイチュン・リーとの対話――Miss 13 Dots (『13点』)の創造者 テレサ・ワイチュン・リー(香港:コミックスアーティスト) 聞き手:コニー・ラム[大城房美/中川裕二訳]

コラム 香港のマンガ ステラ・ソウ[大城房美訳]

第6章 フィリピンの商業BLマンガを読み解く――日本のBLマンガとの比較分析を中心に 長池一美/カミル・ジョイス・トゥアソン
 1 ブラックインクBL作品のジャンル分析
 2 BL作品から読み解く人種にまつわる言説
 3 フィリピンBLに表象される「日本」 
 4 BLからつながるLGBTQ理解促進

第7章 シンガポールのコミックス規制――チェンジュ・リムへのインタビューからみえてきたこと 杉本バウエンス・ジェシカ
 1 コミックス業界での都市国家としてのシンガポールの特異的立場
 2 現在のシンガポールの表現規制
 3 シンガポールで読まれるコミックス

コラム 『Martin’s Purrspective』からみるフィリピンのジェンダー問題 カールイアン・ウイ・チェンチュア

第3部 規制とマンガ

第8章 マシュー・ルークスへのインタビュー マシュー・ルークス(アメリカ:コミックスアーティスト) 聞き手:大城房美/杉本バウエンス・ジェシカ/パトリック・ウィリアム・ガルブレイス[中川裕二訳]

第9章 サイモン・邦子へのインタビュー サイモン・邦子(アメリカ:図書館司書) 聞き手:大城房美/長池一美/濱野 健/竹内美帆/パトリック・ウィリアム・ガルブレイス

第10章 マンガを「読む」社会からマンガを「語る」社会へ――マスメディア言説でのマンガの表現に関する「有害図書」論争の変遷から 濱野 健
 1 データの集計――全体的な特徴
 2 データ分析:1――年代別の特徴
 3 データ分析:2――時系列的な変化を探る 

ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ikn

0
107分 インタビュー+論考の形で思ったより時間がかからなかった。色んな国の関係者にインタビューしていて国内事情は相対的に薄いか。 萩尾望都のインタビューで察したり胸にくるものがあったりしたのが大きかった。表現と規制っていうのが大テーマだったな2025/04/14

まやま

0
読み通すには、なかなかにホネのある本。漫画を取り巻く各国の状況が概観でき、日本の漫画が思った以上に高い評価を受けて扱われていることに少し驚いた。2025/02/23

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