内容説明
歴史と生命の全体像が見える書。本書は「パンツをはいたサル」の完結編として書かれた。ヒト・宗教・貨幣・国家の誕生と進化の過程を解明。あなたの常識を覆す、経済人類学の最新成果。ヒトは何処から来て、何処へ向かうのか。本書は水生類人猿説を採り、なぜ遠征したのか、から始まり、、闇に消えたカザール帝国の再評価を通し、ユダヤ人の起源、ビートルズの秘密を探り、21世紀のヒトの生き方を考える。今日の経済・政治状況の真底がよくわかる。
【主な目次】
序章 それは病から始まった
第一章 ヒトはいかにしてヒトになったのか――そしてなぜなったのか
第二章 現在に至るパンツ
第三章 同時多発テロと国際関係、あるいはグローバリズムというパンツ
第四章 ユダヤ人の起源の謎
第五章 政治陰謀としてのビートルズ
第六章 結論 ヒトはどうすれば生きていけるか、あるいは生きていく価値があるか
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おおにし
11
「パンツをはいたサル」の過剰ー蕩尽理論の完結編。我々の先祖は急激な環境変化に対してひ弱な身体の弱点を補うために、道具、言語から始まり民族、宗教、国家というパンツ(制度)を身につけることで、他の類人猿や別種のヒトを殺戮することが可能になり、結果地球の覇者となった。そして今度はヒト同士で闘うことの快感を原動力に国家を建設し拡大して今の世界を作ったが、最後にはいた大パンツ(市場社会)により貨幣の過剰を許し逆に貨幣に支配されてしまったというのが栗本仮説。人類滅亡から逃れる道はパンツを脱ぐことだが容易ではない。2013/05/04
とらぽん
1
2007のころ読んだのかというくらい、覚えて無かったです。明日のメシの心配をしていた人間には、人類はこれからどうすべきか、というのは壮大すぎたんだろうな、と。目的は手段を正当化できないですよね、ね、ウクライナ、シリアにエジプト、イスラエル、トルコのみなさん。その他の大国もここに含めるべきなんでしょうが。いくらパンツを重ね履きしても、人類はもうもたないと私も思います。他者の物や命を略奪することに口実を与える思想や宗教はパンツだったと認めたら、人間は新たな進化をすることができるでしょうか。2014/03/16
ちゃば
0
色々書いてありますが、結局結論はなく、仮説に終始しているのが納得できなかったです…。途中から速読でさらっと読みましたが、あれだけいうならもう少し結論を肉付けしてほしかったというのが本音です。2012/12/20
MIRACLE
0
0点(5点満点)。文化の制度(=パンツ)によるヒトの適応、とくに貨幣の過剰な発展がユダヤの陰謀をうみ、ひいてはヒトに破滅をもたらしていることに、警鐘を鳴らした本(78頁)。しかし、筆者は自分の主張にたいして論証を行なっていない。「証拠は必ず見つかるだろう」「科学的に確認されるだろう」の繰り返しだ。したがって、本書(そして、現在の著者)をまともに相手にするのは、無駄である。2012/08/11
とんび
0
過剰-蕩尽を軸に様々な事象を探求する、というとスジが通っている風だけど、結局栗本さんが気になっていることを集めた、長めのエッセイ集という雰囲気。直接関係ないが、図書館から借りた本なのに中にやたら書き込みがあって辟易。2010/03/05