内容説明
巷にあふれる広告を読み解き、「らしさ」の呪縛に抵抗する。コンプレックスを刺激する美容・脱毛広告、バリエーションの少ない「デキる男」像……私たちを取り巻く広告を観察し、無意識に刷り込まれる規範や価値観を解きほぐす1冊。
【主な目次】
1 広告観察を始める前に
2 広告観察日記 2018-2023
3 脱毛広告観察 脱毛・美容広告から読み解くジェンダー・人種・身体規範
4 「デキる男」像の呪縛を解くために
5 性感染症予防啓発は誰のため?:広報ポスターから考えるこれからの性教育
6 対談:広告だけに文化のすべてを担わせてはならない 笛美×小林美香
7 対談:広告と公共性 消費者教育のためのメディアリテラシー 尾辻かな子×小林美香
8 「写真歌謡」試論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobuko Hashimoto
23
私たちの視界には大量の広告が入りこんでくる。一つ一つは短期間で新しいものに取り替えられてしまうはかない存在だが、その圧倒的な情報量で、私たちにさまざまな価値観を擦りこむ。本書は、公共の空間における女性や男性の身体の表象を、とくに広告を対象にしてフィールドワーク(観察)し、分析する。広告に社会や経済の状況が反映されていることに気づかせてくれる一冊。関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊で取り上げました。https://www.kansai-woman.net/Review.php?id=2024422024/06/02
katoyann
18
電車の車内広告をジェンダーの観点から分析した本。美容産業の広告がルッキズムを助長しているとする分析は妥当だと思う。どうもSNSがルッキズムを助長しているのかと浅く捉えていたが、ダイエットや脱毛を推奨する広告が電車内を埋め尽くしている状況を考えると、企業の責任が問われるところだといえる。2025/04/16
香菜子(かなこ・Kanako)
15
ジェンダー目線の広告観察。小林美香先生の著書。ジェンダーバイアスのある広告は多い。これって日本特有の問題に見えます。広告を作っている人たちがジェンダーイクオリティを理解していない。広告を作っている人たちがジェンダーイクオリティをあえて無視している。どちらが正解なのかな。ジェンダー目線の広告がいつまでも減らないと世界からばかにされて恥をかきます。2025/04/20
冬峰
8
電車でやたら目につく脱毛や美容広告、鬱陶しいスマホ広告、美少女ゲームの広告の乳袋問題などについて著者が淡々と観察と考察。タイトルにジェンダーって入ると身構える人もいるかもしれないが、広告うぜえとか表現の在り方に違和感を覚える人にはおすすめ。広告の世界に登場する男と女の役割は、がっちり分けられている。更に、美しい女やデキる男のロールモデルは白人ばかり。日本社会の価値観これでいいの?という問題提起になっている。広告表現に関して日本は規制がないぶん妥当性について考える機会もなく、見る側の感覚もバグってると思う。2023/11/18
バッシー
6
こんなふうに広告をみたことがなかったので新鮮だった。知らず知うちに影響されたり、社会規範が反映されているなんて考えたことも無かった。身近でよく見かける題材なので、いい問題提起になると思う。2024/03/24
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