内容説明
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きりえやの高木亮氏が長らく作り続けてきた「偽本ブックカバー」の単行本化。『罪と罰』や『人間失格』などの各国の著名な文学作品名を、『罪と獏』『人間ひっかく』などともじった切り絵と、そのもじりから連想される架空のあらすじをまとめた作品集です。
高木氏のかわいくておかしい切り絵と絶妙な嘘の世界は、これまで多くのファンを魅了してきました。
今回の書籍化にあたっては名作文学のブックガイドとしての側面を果たすため、各章末には原作本のあらすじを書誌情報とともに紹介しています。
文学史を学ぶ学生から文学好きな年配の方まで幅広く楽しめる本を目指し、最終的にはこの本を通じて読者に世界の名作のおもしろさを知ってもらえる本にできればと願っております。
【主な目次】
はじめに
海外文学
その1 ロシア文学
その2 イギリス文学
その3 フランス文学
その4 ドイツ文学
その5 アメリカ文学
その6 海外その他
越境文学
その1 ぼくの叔父さん/タイ人
その2 風呂文学
日本文学
その1 説話・紀行
その2 明治~大正
その3 昭和
おまけ
あとがきに寄せた謝辞
初出・ご協力
原作本紹介
読者アンケート「私の推し作品」
海外文学編
越境・日本文学編
書評・レビュー
『ジキル博士と毎年』
『人間ひっかく』
幻の不採用作品
Making of Nisebon
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美紀ちゃん
101
「ぱしれメロス」で大爆笑。「だいだ赤おに」も好き。たのむぞ!と期待したい。「罪と獏」何をした? 「アンナ、カレーにな…」何を入れたんだ? 「長靴をかいだ猫」嗅ぐんじゃない! など、帯のツッコミも、ものすごく面白すぎる。 笑った。 生徒に「面白い本ありますか?」と聞かれることがよくある。 感動する本?と聞き頷く生徒には感動する本を紹介するけど、 笑える本?と聞いて頷く生徒には これを紹介したい。2022/07/27
pohcho
55
きりえ画家さんによる名作文学パロディブックカバー作品集。冒頭の「罪と漠」(罪と罰)牢屋に入っている漠は一体何をしたのか。「リチャードさんせい」(三世)は、学校机に座った王様が手を挙げてる。「人形の家」は「任侠の家」、「赤毛のアン」は忍者赤影!「星の叔父さま」(王子様)に「伊豆のホドリゴ」(踊り子)。「蟹光線」は蟹がビーム出してるし、「だいだ赤おに」は鬼の代打?もうずっと笑いながら読んでいた。あー楽しかった。偽本のあらすじも面白かった。きりえもすごい。2022/12/16
活字の旅遊人
49
令和三年十一月二日の日本経済新聞朝刊文化面で知った一冊。切り絵画家さんの「偽本ブックカバー」。タイトルだけでなく、ストーリーも練られている。そしてもちろん、内容に即した切り絵が素晴らしい。十年以上前から続けられていたそうで、感服です。思いついたところを詳細に作っているようなので途切れる話もあるのだけど、コアなファンが繋げてしまいそうだよね。ブックカバーとしてぜひ欲しいのは、「長靴をかいだ猫」「母をたずねて三千人」「浦島だろう?」「大きなこぶ」。「王子と叔父貴」以降の叔父さんシリーズも楽しい。2021/11/08
ともこ
37
あまりにも辛いニュースの多い年明け。読みかけの本は後回しに、名作文学パロディーでしばし笑おう。「罪と獏」「カラマーゾフの正体」「ジキル博士と毎年」「美女と柳生」「長靴をかいだ猫」「ぱしれメロス」「おおかみと七ひきのおやじ」「エデンの干菓子」「トム・ソーヤの猛犬」「母をたずねて三千人」「ニルスの不思議な足袋」「やもめのジョナさん」「星の叔父さま」「ぼくの細道」「金色打者」「ぽっちゃん」「不美人そう」「だいだ赤おに」「ヒルマの賭事」「人間ひっかく」よくもまぁバカげたことを!ああ!おもしろかった!2024/01/06
すい
37
切り絵作家さんが世界の名作のパロディ本の表紙を作ってみたら・・・。こんな面白い本ができてしまうんだなぁ。これはもう、興味を持ってもらえた方は実際に手に取って見てもらうしかない本です。2023/02/15