日本のマンガ・アニメにおける「戦い」の表象

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日本のマンガ・アニメにおける「戦い」の表象

  • 著者名:足立加勇【著】
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 現代書館(2025/01発売)
  • ポイント 28pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784768458501

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内容説明

格闘マンガ・サイボーグマンガ・ロボットアニメにおけるキャラクターや物語の分析を通して、戦後から現在まで「戦い」の表象が人々に受容されてきたメカニズムを多角的に探る。日本アニメーション学会賞2016奨励賞受賞論文を大幅に改稿。

【主な目次】

序論

第1章 傷つく身体と戦う物語
第2章 戦う物語における主人公の身体
第3章 格闘マンガの展開
第4章 サイボーグマンガの展開
第5章 ロボットアニメの展開

結論


参考文献

あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

62
なぜマンガ・アニメは戦うのか。戦いにさして苦悩も見せず、カッコよさを追求しているように見えるのは、果たして私の勘違いだろうか。平和のために、「絆」のために、と言われながらも、著者が述べるように、「絆」の最たるものはナショナリズムであり、戦いを肯定する言説は論点を先取した循環論法でしかない。周囲の状況に、未来に対する危機を予兆のように感じる今、非暴力と平和へのヒントを知りたくて読む。本書の分析は一見長くても、指摘されるべき個所をきちんと論じ、結論にいたる論理が一貫していると思う。途中から一気に読み終わった。2020/10/28

内島菫

9
本書の特徴として、マンガやアニメ作品に表現されたものだけでなく、それらを取り巻く受容者(ファン、受け手としての作り手等)の反応をも取り込みつつ評してゆくスタンスがある。つまり、表現とその受容(いろいろな意味で享受と言ってもいい)の、ミメーシスとしての循環をも視野に入れるかなり野心的な表象文化論だと思う(その点が散漫な印象をも与えているとも考えられるが)。が、そもそも表現というものは、それがうまれた瞬間からミメーシス的循環が回りだす類のものだろう。2024/05/21

夢読み

3
マンガ・アニメのキャラクターはなぜ戦うのか? この視点から日本人の(特に戦後の)精神史とも言える論が展開され、面白い。なぜ戦うのか? 端的に言えば生きている証を欲しているからだと思う。格闘マンガであれば己の身体の限界を乗り越え、サイボーグマンガであれば生身の身体を欲したり感じたりする事で、生を実感する。欠落を設定し、それを希求するという構図は文学でも見られ、よくある物語の構図なのかもしれない。2020/01/14

ヨシツネ

2
傷つく体と傷つかない体の矛盾を少年マンガが希求しておりサイボーグ009のような何故戦うのか、戦いへの抵抗という大きなテーマ、物語から格闘マンガでの絆が絶対というジャンプの思想に変わり、更にデータベース消費の内容に先鋭化したという内容。これ自体は物珍しくないがなんとなく格闘系のマンガアニメの絆、つまり家父長制やネオリベからなる死生観の絶対化をイヤがる理由も見えてきた気がした2020/03/21

Holly

1
アンダーソンの想像の共同体を利用しながらの、アニメにおける絆の価値を説明。 「傷つく身体」と「傷つかない身体」の弁証法としてアニメ史。2020/09/01

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