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内容説明
「説教強盗」「満州事変」「2.26事件」。三角寛は朝日新聞の事件記者から、その後『婦人サロン』『オール読物』等でサンカ小説家として、一世を風靡する流行作家に。彼の作品から、戦争とテロによって崩壊にいたる戦中の日本精神史を探る。「三角寛サンカ選集」全15巻(小社刊)で平成のサンカブームを喚起した。船戸与一氏推薦。
【主な目次】
はじめに
序章 池袋・人生坐の「日の丸」
第一章 疑惑の朝日新聞記者「三浦守」
第二章 説教強盗の暗躍と昭和天皇の即位大礼
第三章 岩の坂貰い子殺し事件の謎と『婦人サロン』
第四章 浜口雄幸随感録のスクープから満洲事変へ
第五章 満洲事変下の『オール讀物號』と三角寛
第六章 実話「昭和妖婦伝」を母胎にした「サンカ小説」
第七章 「日本怪種族実記」から「貅水窩のおりん」へ
第八章 時代は「丹沢山悲炎記」から天皇機関説の排撃へ
第九章 「サンカ小説」とウルトラ・ナショナリズム
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
midnightbluesky
5
サンカの存在そのものよりも、三角の怪しさと当時の世相もあいまって、サンカが本来の姿を越えた存在として描かれてしまっていることに着目している。2013/02/10
がぁ
5
時代や世相を織り交ぜつつ、当時の文学やジャーナリズムの変遷と併せて語られるので理解しやすい。ただ、ナショナリズムと三角「サンカ小説」の関連づけに飛躍を感じる。時代が生んだ申し子なのだろうが、何故この時代に、というところに納得はいかなかった。2011/12/05
トリコ
0
昭和初期という時代とその時代で一世を風靡した三角寛の「サンカ小説」を時系列で追ったノンフィクション。サンカ小説の話はもちろん、三角寛が新聞記者だった頃に手掛けた事件の話も面白かったのですが、三角寛の行動を何かにつけて時代の動きと結びつけるのはやりすぎかなーと思いました。それはさておきこの本でサンカ全集が出版されてることを知ったので読んでみよう。2012/03/01