内容説明
20 歳から10 年間で48 回、精神科病院への入退院を繰り返した。30 歳で刑務所へ3年服役。原因は薬物とアルコール依存。生きづらさから非行・犯罪を繰り返してきた著者が自助グループと出会い、新しい生き方を見つけるまでの手記。
【主な目次】
まえがき
第一部 ある依存症者の生き様
――リカバリー、それは「生きる」ことへの根源的な問い掛け
第1章 生きづらさを非行で表現していた幼少期~思春期
第2章 アルコールに溺れ、精神科病院入退院・刑務所服役、自傷を繰り返した青年期
第3章 リカバリハウスいちごとの出会い
第4章 ピアサポートとは
第二部 依存症からのリカバリーのために必要なこと
――当事者として、支援者として、社会に向けての提言
第1章 依存症者としての自分自身を振り返って
第2章 依存症者としての経験から支援を考える
第3章 依存症者として生きる私からの社会への提言
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
51
【リカバリーとは、単に酒や薬をやめるだけではなく、新しい生きる意味や目的を獲得していくこと】精神科病院入退院、48回。刑務所、3年服役。アルコールと薬物の依存症である著者が、“支援”を受け自助グループと出会うことで見つけた新しい生き方について綴った書。2019年刊。<社会はまだまだ「依存症は本人の意志や人間性の問題だ」という偏見があり、そのことが治療や支援を必要とする人たちから、回復の機会を遠ざけてしまっている/偏見は、家族だけで依存症者のことを抱え込んで何とかしなくては!という悪循環>を生む、と――。⇒2024/11/10
Koji Takahashi
13
《洋次郎さんの生きざまに学ぶ》 第一部は、洋次郎さんの幼いころから現在に至るドキュメンタリー。映像が無いにもかかわらず、身体の痛み、心の苦しさが伝わってくる。身体が冷たくなり、脈拍が大きく聞こえ、光を感じなくなる。洋次郎さんはこのような感覚を何十年も抱えてきたのだろう。「知る」ことはできても「共感」するにはあまりに大量のエネルギーだ、とても受け止めきれない。 ぜひ社会派の映画監督の目に留まり、映像化され多くの人に感じてもらえることを願っています。 て一緒に成長できる、そんな支援者でありたいです。 2021/05/25
カッパ
13
表紙は直筆だろうと思うだいぶ思いがこもっているように感じました。シンナー中毒からアルコール依存にもなり、警察にもお世話になった著者。刑務所に入ったからこその気りか確かに下手くそかもしれないけど。前に進んでいる感じがする。もがいてもがいてつかんだことには力があるのだと思う。リカバリーは自分の人生を生き治すことだと思う。誰かに助けてもらうときもあっていいけどひとりですくっとたててあるける日を目指したい。2020/01/30
れい
7
【中央図書館】結局、何が苦しかったのかははっきりとは書かれていなかったけど、人との繋がりを信じきれない辛さだったのかなぁと想像する。回復の転機になったのは、やっぱり刑務所でのカウンセリングじゃないかと思う。やっぱり、すごい。勉強嫌いとは言うが、誤字や脱字もなく文章は秀でている。遠回りされたのかもしれないけど、やっと自分の本来の姿を取り戻したのかなぁと感じた。ただ、母親の立場になって読むと、非常に辛くなる。2021/02/20
CD
3
シンナーと酒におぼれて学校にも行かず仕事もせず精神病院に入り、人生めちゃくちゃな人間が、自分の人生を見つめなおし、本を書くところまでなったという・・・。30代で気づけたのはよかったのかな・・・2022/10/09