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内容説明
たかが水、されど水――
奇跡の温泉水に魅せられ
半生を捧げた男の物語。
水資源が豊富な日本では、長らく「水を買う」という習慣は一般的ではありませんでした。しかし1980年代後半以降、健康志向の高まりとともに国内外のさまざまなミネラルウォーターが販売されるようになると、産地や含まれるミネラル成分などを意識して水を選ぶという新しい価値観は次第に私たちの生活に浸透していきました。
そうした時代の流れの中、起業家としてそれまでさまざまなビジネスに取り組んできた著者は偶然訪れた展示会で、ある水との運命的な出会いを果たします。そこで目にしたのは鹿児島県・垂水市で湧き出る温泉水で、世界的にみても希少なpH9.9という高いアルカリ性をもつ超軟水でした。それまで水には何の特徴もないと思っていた著者は、その温泉水が持つ整腸作用や美容効果などさまざまな効能に衝撃を受けました。
この水の素晴らしさを確信した著者はその魅力を広めるために、まったく経験のなかった水ビジネスに挑戦することを決意します。しかし、その後の道のりは決して平坦なものではありませんでした。社員からの猛反対、販売が軌道に乗り始めた直後に起きた商品回収騒動、そして経営危機……。それでも決して諦めることなく、「この水の素晴らしさを伝え、必要とする人々に届けたい」という強い信念を胸に、品質管理の徹底や地道なマーケティングを続けてきた結果、著者の販売する「温泉水99」は全国的な知名度を得、大手コンビニチェーンでも販売されるまでになりました。
本書では、垂水の温泉水と出会い魅せられた著者が、それをビジネスとして成功させるまでの挑戦の軌跡を辿っています。
奥の深い温泉水の魅力とともに、普段飲む水が人の健康にとっていかに重要であるかを考えさせてくれる一冊です。
目次
はじめに
第1章
無色透明の中には目に見えない価値が詰まっている
桜島が育んだ奇跡の温泉水との出会い
水が当たり前に売られる時代
人間にとっての水という存在
偶然に導かれた温泉水との出会い
水博士のお墨付きを得る
第2章
水はわざわざ買うものではなかった時代
目に見えない価値をいかにして消費者に届けるか
水の都 垂水
温泉水と天然水の違い
なぜ垂水の温泉は飲めるのか?
メディアや専門家も認める安全な水
まずは全国の売れている名水を調べた
水はわざわざ買うものじゃなかった当時
見えない価値を伝える難しさ
順調だった温泉水の販路拡大
第3章
経営が軌道に乗ったと思った 直後に起きた、まさかの「商品回収」
再販を求める声に経営の再建を誓う
大規模な商品回収と経営危機
すべての問屋が取り扱い中止
お客様のために自社生産を決意
垂水でナンバーワンの井戸を手に入れろ
自社工場建設のための資金調達
新工場を建てたけれど
自社生産体制が生んだ競争優位性
垂水への移住を決断した理由
苦難の歴史を乗り越えて第2工場を建設
第4章
数々の試練を乗り越え、知れ渡る温泉水の魅力――
大手コンビニチェーン店にも認められ販売開始
温泉水99開発の背景と狙い
愛されている理由が温泉水99の商品コンセプト
クチコミによる拡散とブランド認知度の向上
WEBショップ開設直後に奇跡が起こる
こだわったパッケージデザイン
おしゃれだから売れるとは限らない
大々的な宣伝広報活動は行っていない
インフルエンサーの活用による売上拡大
健康志向のスーパー・コンビニの広まりが追い風に
第5章
たかが水、されど水一つで人生は変わる――
より多くの人々に奇跡の温泉水を届けていく
数倍の規模で投資効率の良い工場を建てられるまでに成長
企業はゴーイングコンサーンでなければならない
利益と地域貢献は相関関係にある
利益の先にある社会的使命
生産性を高めるのは人間力
過疎地のメリットの享受とお返し
お客様と従業員への感謝を忘れない
変化する勇気 不易流行
おわりに