内容説明
ふたりの食卓に並ぶのは、決して甘いばかりのお菓子ではなかった。睦まじく見えるふたりの不穏な秘密。本能がかき乱される出会い。一言では言い表せない関係性、どうしても忘れられない人のこと──。食べて「なかったこと」にはならない濃厚な物語が気鋭の作家たちと食のエキスパートたちの手によって饗される。小説、エッセイに仕立てた10品の「恋と食」をどうぞ召し上がれ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
156
恋と食のある10の風景、3つのエッセイに7つの短編アンソロジー。そうよね、ふたりでってことは食は欠かせない。いろんなふたりが居た。古内さん『ワタシノミカタ』奥田さん『白と悪党』が印象に残った。原田さんの『夏のカレー』は既読だったがやっぱり好き。尾形さんの『SUMMER STREAMER』は大谷選手推しの私にはとても楽しかった(笑)そして、ラストの山田詠美(呼び捨て御免)のエッセイ『恩讐の彼方のトマトサラダ』は流石としか言えない。2025/02/24
nonpono
121
「恋と食」の物語が10作品、様々な作家さんの競演。面白いですが、文体が変わるたびに慣れるのには疲れる。そんな中、自分ではエッセイは休憩かなと思いきや、まず一番手、ぼる塾の田辺さん。スイーツ女王としてデパ地下に行けば帰りは持ちきれないお土産をもらう田辺さんのエッセイ。「過去の私は恋愛にとても執着するタイプでした。」と爆弾投下のような緊張が走る一行目からの疾走感よ。次の山本ゆりさんの掌編「ゆかりとバターパスタ」、静かな狂気と諦念の道へ。そしてラストは山田詠美登場、トマトサラダで笑いまた切なく、締めてくれます。2025/04/15
モルク
111
10人の作家さんたちによる小説とアンソロジー。「恋と食のある10の風景」…なんとワクワクする言葉だろう。様々なテイストに包まれながらちょっとビターな大人の恋。夫婦、恋人、元彼(彼女)…誰かと食事するのは一人よりずっと美味しい。もちろんつらく切ないこともある。そんなことを感じさせる一冊。一穂ミチさんの「わたしたちは平穏」原田ひ香さん「夏のカレー」がお気に入り。そして「ぼる塾」田辺さんのエッセイも気取らず素直な文章に好感がもてた。2025/04/28
machi☺︎︎゛
89
小説とエッセイの10編の話。こういうアンソロジーはちょっと合わなかったなーって作家さんが1人はいるのが多いけどこの本の作家さんの話は全部好きだった。恋と食のある10の風景とあるが甘い恋愛ばかりではなくて辛口なのもあってバランス良く楽しめた。2025/04/28
チーママ
80
一人で食べる食事より二人で食べる食事の方が美味しいのはなぜだろう。一人じゃないという安心感が味覚を活性化してくれるのだろうか。夫婦で、恋人と、心ときめく人と、あるいは気のおけない友人とのバラエティに富んだ「いただきます」を心ゆくまで堪能させてくれるアンソロジーだった。シングルマザーの恋バナを描いたワタシノミカタ。同性カップルのセンシティブな気持ちを描いたヴァンパイアの朝食。計算ずくの恋を微笑ましく描いた白と悪党。愛し合っているのに結ばれない二人に泣けた夏のカレーが好きだった。2025/03/31
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