内容説明
池澤夏樹が近現代の名詩75篇をセレクト。詩と新たに出会える、詩を楽しく味わえる、絶品アンソロジー。
「詩は言葉の精錬の果てに得られた純粋な結晶。丁寧に読めば一語ずつがきらきらと輝いていることがわかるだろう」――池澤夏樹(文庫版あとがきより)
萩原朔太郎、日夏耿之介、佐藤春夫、山之口貘、中原中也、石垣りん、田村隆一、茨木のり子、大岡信、谷川俊太郎たち41人の名詩を、池澤夏樹が精選。詩との新たな出会いをあなたに。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みつ
21
池澤夏樹氏個人編集の日本文学全集の『近現代詩歌』の巻から詩のみを抜粋した文庫本。短歌(穂村弘選)、俳句(小澤實選)のそれぞれの文庫本も読みたい。本書では藤村から始まる41人の詩人が収められ、定型詩から自由詩への大きな流れがわかる他、モダニズム詩(安西冬衛)、プロレタリア詩(中野重治)に属するものもある。限られたページの中にどの詩を載せるかで編者の考え方がよく出ており、特に高橋睦郎、谷川俊太郎、入沢康夫の三氏の各神話的な作品で半分以上を占める。貴重な出会いであったが、自分は短い詩を好むことも再確認した。2025/07/20
どら猫さとっち
9
島崎藤村、高村光太郎、中原中也、茨木のり子、谷川俊太郎など、池澤夏樹が選んだ現代詩のアンソロジーが、文庫化された。どの詩も、選者である池澤夏樹の知性が伺えるセレクトになっている。伊良子清白「漂泊」は、川上弘美「センセイの鞄」にも登場している。後半の谷川俊太郎、高橋睦郎、入沢康夫の詩は圧巻であった。詩はこんなに自由で大胆に書けるのか、圧倒された。2025/06/30
播州(markⅡ)
8
時代順だったが、あとがきをみてその意図に気づく。日本の詩の歴史は、圧倒的に短歌俳句の割合が多く占められている。それが定型詩となり自由詩になる。自分の中での詩のイメージはせいぜい十数行の定型詩だったが、高橋睦郎らの詩を読んでぶっとんだ。自由詩はこんなに自由なんだなぁ。学校教育以外では意識しなければ触れることがないのだが、もったいないなぁと感じる。吉岡実「僧侶」死んだ僧侶がいい具合のおとぼけ。辻征夫「婚約」幸せの絶頂。酸素欠乏症で死ぬのは、結婚は人生の墓場的な?「桃の節句に次女に訓示」ひらがなでかわいい文章2025/08/24
gu
6
それにしても高橋睦郎と入沢康夫だけで全体の半分を割いているのが面白い。2025/05/04
りこ
5
近現代の何十という詩が収められた一冊。島崎藤村の「初恋」をかつて中学の国語の授業で暗誦したことを思い出した。堀口大學の「昔」に感銘を受けた。たった二十文字、なのにこんなにも過去と現在、そして未来を想起させられる。2025/07/25
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