内容説明
高校生の絃(いと)は、数年前から突然、他人の頭上にあるマークが見えるようになる。嫌なことがあるとそのマークが点灯し、「消えたい」という願いがわかるのだった。過去にそのマークのせいで友人に拒絶され、他人と関わることが億劫になっていた絃。そんなある時、マークが全く見えないクラスメイト・佳乃(かの)に出会う。常にポジティブな佳乃のことをはじめは疑っていた絃だけれど、佳乃の感情はいつだって一定で変わらない。そんな彼女と過ごすうち、絃は人と向き合うことに少しずつ前向きになっていく。しかし、彼女はじつは悲しい秘密を抱えていて・・・。「君には生きていてほしい。そのままの君と一緒にいたいんだ」生きることにまっすぐなふたりが紡ぐ、感動の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜桜キハ
59
誰もが消えたいとは一度は思ったことがあるはず。こう書いている私も、時々そう思っては打ち消しています。今は無いという方でもいずれ困難や苦しみに直面した時にふっと浮かぶかも知れません「消えたい」なんて。そんなみんなに読んでもらいたい小説。恋愛描写が多く、青春感とライトなのでサクサク読めますが時々投げかけられる命に関しての問いがグサッと刺さります。「生きる理由なんて、そんな大袈裟なものじゃなくていいんじゃないかな」優しく、暖かい。人には言えぬ悩みがある私にはとっても心に染みました。大嫌いな世界でもそれでも……。2023/04/19
Nori
5
他人の消滅願望が目に見える男子高校生が消滅願望が全くないクラスメイトの女子と仲良くなり少しずつ変わっていく物語。しかし、彼女に消滅願望がないということには理由があり…。なんか小説読んでて昔はよく消えたいと思ってたことを思い出したり。死にたいんじゃなくて消えたいんだよね。死んだら悲しんでくれる人もいるから、その人たちを悲しませたくないから存在そのものを無かったことにして欲しいと思ってたことを思い出した。2024/10/03
色素薄い系
5
突然他人のネガティブセンサーが見えるようになった事が原因で人付き合いが下手になってしまった絃となぜかそれが見えない存在のカノ。カノが絃と関わろうとした事でお互いが救い救われる存在になれたのは良かった。これからも友達4人で仲良く出来る未来が見えて安心した。2023/03/19
ひろち
0
★★★2023/06/14