内容説明
親や学校、すべてにイライラした毎日を送る中2の百合。母親とケンカをして家を飛び出し、目をさますとそこは70年前、戦時中の日本だった。偶然通りかかった彰に助けられ、彼と過ごす日々の中、百合は彰の誠実さと優しさに惹かれていく。しかし、彼は特攻隊員で、ほどなく命を懸けて戦地に飛び立つ運命だった――。のちに百合は、期せずして彰の本当の想いを知る・・・。映画化決定! 大ヒット作が単行本になって登場。単行本限定の番外編も収録!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
95
2020のレビュアー大賞課題作品として読んで以来、5年ぶりの再読です。先日、戦後80年を迎えたタイミングで改めて手にとり、読み直しましたが本作品が悪い意味ではなく、ライトノベル的な扱いなのが本当に勿体ないと感じました。決してライトノベルが悪いという意味ではなく、もっと多くの方に読んでもらえるよう装丁等含めてなんとかならないもんかなと思ってしまいます。本書は2016年に文庫で発刊されてから7年のトキを経て単行本で再発となり、本書のみに書かれた短編も収録されています。これからも読み継がれてほしい作品ですね。2025/08/16
さつき
60
映画を観てから読みました。主人公の生い立ちが少し違うだけで、ほぼ原作に忠実に作られていたようです。この作品が、戦争について特攻隊について若い世代に知ってもらうきっかけになることを願います。2025/04/16
ゴルフ72
49
「娘からこの本読んだ?」って聞かれて・・・読みました。中学生の百合タイムスリップして昭和20年へ、百合と特攻隊の隊員との出会い、互いに意識しあうも・・・戦争という中での出会いと別れ、そして現代への帰還・・・終戦から70年、戦争というものの悲惨さや悲しさを含め、そこにいた人でなければわからないだろうとの心を体験する百合。唯、こんなことが事実としてあったと、少しでも戦争について考える時間を持ってほしい。筆者が言っているように中学生・高校生に読んでほしいとのコメントは納得できる。2023/10/06
starly
44
生まれた時代が違うだけであってその時代での正義や考え方が異なる。戦争時代にタイムスリップして恋愛だけでなく当時の人の考え方を思うとやるせない。時代が違うだけで自分自身の思い描きたい恋愛が出来ないのは酷く切なく悲しい。2023/12/17
さこぽん
25
初めて愛した人は特攻隊員だった。叶うはずのない恋が悲しくて切ない。 国のために散っていく若者たちがいた、ほんの80年ほど前の日本に。今じゃ考えられない。忘れてはいけない過去を継承していく本のひとつになればいい。2023/07/21