同時代ライブラリー<br> ギリシア悲劇入門

同時代ライブラリー
ギリシア悲劇入門

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  • サイズ 新書判/ページ数 223,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784002601861
  • NDC分類 991
  • Cコード C0398

出版社内容情報

宇宙秩序の中での人間のあり方を問うアイスキュロス,心理の起伏を劇的に展開するソポクレス,神話世界の「現実らしさ」を追究するエウリピデス.三大悲劇詩人の代表作に鋭利な解釈と批評を加え,その舞台の魅力を蘇らせる.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

174
これまでは迂闊にもギリシアの3大悲劇詩人が同時代に活躍していたとは考えていなかった。それぞれに100年や200年くらいはずれていると思い込んでいたのだ。ちなみにアイスキュロス(紀元前525年 - 紀元前456年 )、ソポクレス(紀元前496年頃 - 紀元前406年頃)、エウリピデス(紀元前480年頃 - 紀元前406年頃)である。これは本当にすごいことだし、文化というものの不思議さを思わずにはいられない。本書は、ギリシア悲劇のまことに恰好の入門書だが、これを機会に少しずつでも読んでいかねば。2014/09/29

ろべると

10
1974年の岩波新書が初出。三大作家の代表的な作品を題材にギリシア悲劇の特徴を解説しており、入門書として現在でも価値がある良書だと思う。「オイディプス王」「エレクトラ」「メディア」などはいずれもオペラや映画などにもなっているが、親殺しに子殺し、近親相姦(それとは知らずではあるが)など何とも凄惨でやりきれない内容が多いが、当時の観衆はどのような思いで舞台を観ていたのだろうか。単なる娯楽ではないだろう。現代の我々にとっても、ギリシア悲劇は単なる古典の枠を超えて、根元的な人間のドラマを突きつけてくるのだろうか?2023/04/27

マッピー

10
古代ギリシアのお芝居というのが、思った以上に完成度が高いことがわかりました。実際に舞台を見たわけではないから何とも言えませんが、セリフの掛け合いで状況説明をしつつ観客の気持ちを高めていくことや、舞唱団など(ミュージカルというよりはコーラスのような感じ)、今どきの劇と遜色がないではありませんか。ギリシアの文藝は神様が、普通に人間社会に介入してくるのだけれど、時代を経るとともに神様の登場の仕方が変わってくることにより、人間の心理や哲学などが深まっていく様子もわかり、歴史の一つの見方としても面白かったです。2018/12/29

Hiro

3
オイディプスを読んだのをきっかけにこの際古典ギリシアを少し齧ってみようかと読んでみた。鹿爪らしい手順や講釈のない、単刀直入に内容に切り込んだ、すっきりした、分かりやすい入門書である。オイディプスを中心に据え三代悲劇詩人それぞれの作風の違いを明快に説明する。私はまだソポクレスしか読んでないが、他の二人の作品も幾つか取り上げ引用を交え論を展開し、そのままギリシア悲劇の歴史にもなる具合だ。見事な手際なので、あとは読者が実作に当たった上で再度本書で確認するという、今後の段取りまで教えてくれたような気分になれる。2022/08/21

SK

3
144*岩波新書が同時代ライブラリーに装いを変えて発刊された様子。同時代ライブラリーというのが、どういうコンセプトなのか、よくわかっていないけれども(笑)。思想家のアイスキュロス、芸術家のソポクレス、人間劇のエウリピデスという整理。ソポクレスの記述が一番多いかな。アイスキュロスへの記述が一番少ない。著者は、女性や子ども、奴隷も観劇していたという考え。ソポクレス劇は、神の視点からの「のぞき」という面があるという指摘は、なるほどなと思った。2018/07/16

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