内容説明
わずか2年前、アンドルーは多重人格者の魂の代表として26歳にして“誕生”し、魂たちの共存のため奮闘していた。ある日、殺人犯を事故死へ追い込んだことで、自分が継父を殺害したのではないかという疑念に囚われる。真相解明のため、同じ障害をもつ女性ペニーと故郷へ向かうが、自身の隠された秘密だけでなく闇の魂からの脅威にも晒され……。あらゆるジャンルを包み込む物語の万華鏡!(解説・霜月蒼)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
62
自分の知らない自分というのか実際の旅行きと並行して心の中の世界への旅を続ける物語。物語の当初は何の事を言っているのかわからずじまいだったけど、置かれた状況を理解するにしたがって離れられなくなった。ミセス・ウィンズローがなぜアンドルーをあんなに保護しているのかと疑問だったけどそうだったんだね~。ジュリーが驚いたのももしやとおもったけど衝撃的だった。読後はほんのりしんみり明るい気分。2024/07/17
路地
45
多重人格障害を有する主人公が、自己のなかにいる他人格と共生しながら過去の闇を紐といていく。心理描写の深い小説でありつつ、ミステリーとロードノベルの側面もあり、背表紙の紹介文にあるあらゆるジャンルを包み込む物語の万華鏡とのフレーズに違わない一冊。もう一人の主人公ともいえるペニーとともに、自己の精神内を一つの社会として捉える見たことがない世界を体験できた。他人格との共生、人格統合、二人が選ぶ道は違えど幸せな人生を思わず願う。2025/01/29
Shun
41
新潮文庫の名作発掘シリーズ。幻想系小説「ラブクラフト・カントリー」著者の20年前の作品と知り購入。まずはこの1,000ページ越えの新潮文庫最厚という迫力に圧倒され、さらにジャンルを表すならミステリーから青春、冒険、ジェンダー系その他諸々の要素を内包したと言えるまさに大作級の物語。とは言え読破後はひたすら長い小説を読んだという徒労感の方が勝っていたためあまりお薦めはできない類の大作。主人公の抱える多重人格というテーマがあり、そして同様の複雑な事情を持つ別の女性が出会うという構図は興味を惹かれるものがあった。2024/07/14
セロリ
39
タイトルに惹かれて手にした作品。とんでもない厚みに震えつつも読了。たいへん満足☺️ 2人の多重人格者がお節介なジュリーに引き合わされ、コントロールできているアンドルーが、受け入れられずにいるペニーを助ける前半は、多重人格の魂が交代するシーンが多くあり面白い。後半は、アンドルーの義父の死の謎に2人が迫るサスペンス展開。そして全編を通じて、2人の友情の物語にもなっている。この物語にジュリーは必要だった?なんて思ったこともあったが、やっぱり必要だ。アンドルーの秘密の暴露には欠かせない存在でした。面白かった。2024/10/07
tom
29
幼児期の虐待による解離性障害を持つ二人の物語。体の中には数えきれないほどの人格が住んでいる。そのときどきで、いろいろな人格が現れ、その場を仕切る。その他の人格は、後ろから見てるだけ、まったくの無関心、あるいは石を投げる。意見の食い違いもしばしばで、ときには全体会議で調整する。こんな二人の生活と意見の物語。そして、出自を知りたいと故郷に帰ろうとするところから活劇が始まる。多重人格を扱った小説はいろいろあるけれど、この物語はかなりユニーク。ただし、解離性障害のことを知らないから、どのくらいリアルなのか不明。2025/03/01
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