就職氷河期世代の経済学

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就職氷河期世代の経済学

  • ISBN:9784800592897

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内容説明

【内容紹介】
一般にバブル崩壊後の新規学卒採用が特に厳しかった時期に学校を卒業した世代を「就職氷河期世代」と呼んでいるが、彼・彼女らは非正規の割合が多い世代であり、さらにここにきて高齢者の再雇用と新卒者の初任給上昇に挟まれた形で、賃金上昇が著しく低い状況となっているだけでなく、くわえて早期退職の候補にも入るようになってきた。
本企画は、自身もこの世代であり「30年ぶり賃上げでも増えなかったロスジェネ賃金」というレポートを執筆したエコノミストの著者が書く、就職氷河期の経済的真実を書いた一冊。


【目次】
はじめに 就職氷河期世代は本当に経済的に割を食っているのか

第1章 「就職氷河期世代」はなぜ生まれたのか
・超売り手市場から就職氷河期へ
・バブル崩壊を経て採用数の大幅縮小へ
・大企業が新規採用を抑えたことで深刻さが増した
・進路変更を迫られた学生たち
・1990年代後半から増えてきた非正規雇用
・非正規雇用の問題点
・企業目線重視の派遣法改正
・リーマン・ショック、コロナ・ショックと就職氷河期の違いとは
・自己責任論から国による対策へ

第2章 「就職氷河期世代」の雇用事情
・中年になった今もポスト縮小や抜擢人事で割を食っている
・フリーター&派遣社員率が高く、全体賃金が目減りしている
・新卒の人材確保、定年延長の間で起きた就職氷河期世代の年収減少
・賃金は上がり切らないまま、早期退職の対象に
・働き盛りの現在でさえ、過去のどの年代よりも低い正社員率
・就職氷河期世代は転職しても賃金が上がりにくい
・就職氷河期世代にできること、やるべきこと

第3章 「就職氷河期世代」の経済事情
・無視できない就職氷河期世代の貧困問題、格差問題
・貯蓄志向が強く、消費力が弱い就職氷河期世代が与える経済への影響
・政府主導の支援対象者が100万人もいる現実
・未婚率の高さとパラサイトシングルの今後
・上がり続ける税率と増えない収入の間で
・アベノミクスがすり抜けていった世代
・長い非正規生活による老後への不安

第4章 「就職氷河期世代」の生活事情
・物価が上がっているのに、消費支出が前の世代よりも10%以上低い
・人口ボリューム世代なのに全体支出が増えない衝撃
・教養娯楽費は減り、一部の消費だけが増加
・110万人に迫る親の介護。33万人に迫る親の介護による生活不安
・高齢貧困危機に陥る数は現在の2倍とも
・空き家の増加などで親からの遺産の資産価値が減少の危険性

おわりに もし就職氷河期がなかったら、今の日本はどうなったのか?

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まゆまゆ

10
バブル崩壊後に社会にでてきた就職氷河期世代は雇用、年収、資産形成と他の世代と比較して割を食っていることを様々なデータで明らかにしていく内容。最近ようやく自己責任論から社会システムの被害者として様々な支援策が国で検討されるようになったが、失った時間はもう取り戻せない…この世代だけではなく将来への不安を取り除く政策を考えていってほしいものだけどなぁ。2025/04/07

Fumi Kawahara

3
俺の世代は、老後はもう、生活保護で穴埋めするしかないと思ってる('ω')アベノミクスで上振れしたのに、コストプッシュインフレにびびって日銀が「人手不足ってことは、需給が埋まったってことだよね?!」とか抜かして金利上げやがったので、若い子は就職できるうちに早いとこ就職してしまえ。この先分からんぞ。就職氷河期のおばちゃんからの忠告だ。需給バランスが逆転してのインフレには、まだなっていないのに金利あげやがって、あいつらホント、何を見てるんだか・・・2025/01/28

ゼロ投資大学

3
バブル崩壊後の就職氷河期世代は、本当に厳しい時代に生まれたと再認識した。就職で苦労したことはもちろん、その後も非正規雇用で働いている人も多く、役職や給料が上昇することも少ない。やはり今の時代は受け身ではなく、主体的に動いて仕事を作り出せる人が求められていると感じた。2025/01/25

ぎぃ~

2
有名なエコノミスト永濱さんの著書。面白くサクッと読めました。バブル期以降の政策の失敗の罪深さを改めて考えさせられる本でした。2025/04/09

kaz

1
「就職氷河期世代」の経済的実態を描き出すもの。非正規雇用の多さ、賃金の伸び悩み、早期退職の対象化といった現状に加え、消費支出の低迷や老後不安といった生活面の課題も取り上げられている。単なる世代論にとどまらず、政策的支援の必要性や、社会全体への影響にも踏み込んでおり、経済学の視点から「見過ごされがちな世代」の声を可視化。気になった部分を飛ばし読み。2025/06/30

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