内容説明
【2025年第173回直木賞候補作!!】
爬虫類のペットショップでアルバイトをする金本篤は、売れ残ったフトアゴヒゲトカゲが処分されそうになるのを見て、店長に譲ってくれと頼む。だが、提示された金額はあまりに高額で、「ある男」を強請って金を得ようと一計を案じるが……。自ら仕掛けた罠が思いがけぬ結末を呼び込む「場違いな客」など、町の「隣人」たちが日常の奈落で繰りひろげる3つの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
232
★第173回直木賞候補作第六弾(6/6)オーラスです。夏木 志朋、2作目です。本書は、短編2作+中編1作のイヤミス集でした。オススメは、「スタンドプレイ」です。 本書は、ポプラ社刊で、長編でないため、直木署の予想は、ステイとなります。 https://bookmeter.com/mutters/283220658 https://www.poplar.co.jp/book/search/result/archive/8008479.html2025/06/20
hiace9000
143
日常、人間、Neighbor…如何様にも汲み取れる「N」。イヤミスでもないのに、人の闇や弱さ、狂気をイヤっと感で読ませる直木候補作。純文の匂いすら漂う短編『場違いな客』、絡みつくような"嫌悪感"から「逸脱」に落とし前をつける短編『スタンドプレイ』、右上から左斜め下まで逆落とす逸脱感で二転三転する中編『占い師B』。いずれも不器用に過ぎる生き方で世の中をもがく主人公たちの物語は、純文系→ホラー系→コメディ系と読み手の「読み方」すら見失わせながら、予想外の結末へと一気に誘う。未読で異色の不思議な読み味が面白い。2025/07/08
いつでも母さん
138
お初の作家さん。Nって誰?多分隣人のことなのね。3話から成る作品集。好みは1話目『場違いな客』逸脱・・ってほどか?その先まで行けばそんな感じもするけれどって正直なところ。何となく読んじゃって感想も何となくな感じ。でもまぁ逸脱とか奈落って、文字にするより現実には些細なことで感じたりしてる気がするのは私だけか?(汗)【直木賞候補作】2025/06/29
ナミのママ
116
「場違いな客」「スタンドプレイ」「占い師B」3話の中短編。接点のない人と知り合ったがゆえに日常から逸脱していくストーリー。もう一歩、逸脱したら大変なことになるところでとどまっているので、現実感がある。主人公は爬虫類ペットショップのアルバイト店員、高校の数学教師、占い師。なんの繋がりのない人たちの話が同じ町や、出現する噂の人物でさりげなく結びつくのに気がつきニンマリ。ブラックかと思えば白、予想をくつがえすストーリーは他にない魅力で飽きさせない。奈落へ落ちないよう私も気をつけよう。2025/06/14
のぶ
108
「普通」から逸脱したい者、逸脱してしまった者、元々逸脱している者、それぞれの異常性を描いた短編集。どの作品も異常性たっぷりで、緊張感が漂う。でもコミカルなシーンもあり、読んでいてこっちの感情が普通じゃいられなくなる。最後の占い師の話は、展開が二転三転して、たくさんの伏線が想像を掻き立ててくる。この作家さんの本は初めてだけれど、読者の心情を荒立てるのがなんとも上手いと感じた。2025/07/04
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