中公文庫<br> 能登早春紀行

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中公文庫
能登早春紀行

  • 著者名:森崎和江【著】
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 中央公論新社(2025/01発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784122076105

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内容説明

私にとって能登は、やさしい土地だった――。二月の能登に降り立った作家が出逢ったのは、話したがりで優しい人々と、土地がもつ豊かな歴史。海女、漁師、賑わう朝市。不思議な伝承に彩られた集落の祭り。著者の旅路とともに能登半島に魅了される小さな旅行記。渡島半島から函館を巡る『津軽海峡を越えて』を併録。〈解説〉渡邊英理

【目次】
○第一部 能登早春紀行
・第一章 雪雷 能登・志雄町
・第二章 潮しぶき 能登・羽咋市
・第三章 風待港 外浦・富来町福浦
・第四章 千浦の又次 外浦・富来町赤崎
・第五章 栗ひろい 外浦・富来町富来
・第六章 アワビ 奥能登・輪島市
・第七章 民話 奥能登・珠洲市高屋
・第八章 白い山 奥能登・珠洲市大谷
・第九章 お山祭り 内浦・能都町
・能登早春紀行 あとがき

○第二部 津軽海峡を越えて
・第一章 津軽海峡
・第二章 旅は道連れ
・第三章 少年と姥神
・第四章 函館旅情
・津軽海峡を越えて あとがき
 
○文庫解説
旅する言葉、海と女の思想圏 渡邊英理

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

柚木あんづ🍉

19
『能登早春紀行』と『津軽海峡を超えて』を収めた、文庫オリジナル版。日本統治下の朝鮮に生まれた著者による旅行記。著者が抱き続ける植民者としての後悔と自省からだろう、土地や人と、近すぎない、遠すぎない、思慮深い文章がよい。『新版 慶州は母の呼び声 ――わが原郷』を読んでいなければ、失われゆく営みへの哀切も、個人的なところで言えば、折口信夫への複雑な思いも、全く理解せぬままに、読み流してしまうところだった。労をいとわぬ生き方をする女性たちの声が聞こえてくる。朝早くワカメひろいへ出かけていくシノさんが心に残る。2025/11/03

Mori

7
子どもの良さは、自分が子どもであることを忘れている点にある。 そんな風に子どもを見れるようになりたい。そんな風に、歳を重ねていきたい。2025/03/20

バーニング

2
1980年代前半、今から約40年前の能登と函館を旅する一冊。森崎和江が何を見聞きして、どういった意図でこの文章を書いたのかは解説に詳しいが、単なる紀行文ではなくフィールドワークするように各土地の人々の歴史や記憶を掘り起こそうとしていることがわかる。輪島や珠洲、羽咋といった一年前の地震で何度も目にした土地を訪れる森崎の眼差しを、現代に生きる読者が時間を超えて追体験できるのはとても貴重な体験だと思うし、当時すでに失われゆく文化や仕事を記録したこの本は珠玉の出来だとも思う。2025/01/27

蒼都羽月

1
一年前は読み始めて早々に挫折してしまい、一年ぶりに始めから読んだら今度は読めた。「能登早春紀行」第五章が好きだなあ。人生を楽しむ達人の話だった。そんなふうでありたい。余談だけれど、中公文庫って丁寧な印象。手に取った中公文庫作品は多くはないと思うけれど、国書刊行会に対する印象に似たものを感じる。2026/01/10

belier

1
北陸の能登半島と北海道の渡島半島を巡る二つの旅行記。80年代半ばに書かれた郷愁を誘う名品だ。聞き書きの名手らしく人々から多くの物語を引き出す。美味そうな料理の話も多い。民俗学的なロマンも紡ぐ。著者の住む福岡県から輪島に移り住んだ海女たちがいて、能登から松前に渡った人たちもいたという。海の民の話を思い出した。江戸時代には北前船が渡島では江差、能登では福浦を寄港地とし栄えていた。明治以降にさびれてしまう。とくに福浦。ちらりと能登の外浦側に原発の建設案があると書いてある。地図を見ると志賀原発はすぐ近くだった。2025/04/21

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