内容説明
三日の旅終へて還らす君を待つ庭の夕すげ傾ぐを見つつ――
昭和から平成の終わりまでに詠まれながら,これまで私たちの目に触れることのなかった四六六首を収録する.よろこび,悲しみ,ときに言葉にできない驚きや共感…….うつろう時間の中で三一文字に凝縮された豊かな世界.その扉がいま開かれる.解説・永田和宏.
目次
昭和 一九二首
平成 二七四首
解 説 永田和宏
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まぁみ
20
難しかった。理解力も語彙力も足りない私、まだまだ未熟者だと痛感。一首一首何度も何度も読みました。すんなり状況や場面が浮かばず、逆に深読みしてしまったり、自分が情けないったらありゃしない笑。父世代も社会人時代の部長さんも、皆口を揃えて、美智子さまと吉永小百合さんが好きだ言っていました。何度も歌を読み返している内に、あたたかくて博識でとても強い方だと感じました。皆に愛されるはずです。「五月来れば取りいだし見る武者人形子らすでにして育ちし今も」「思ひつつ言ひ得ぬ心さやかにもしめせる詞よむとき楽し」素敵だ…。2025/01/18
蒼
18
「まなこ閉ざし ひたすら楽したのし君の リンゴ食みいます 音を聞きつつ」 「かの日日も かく花びらは舞いをりぬ 被災の町を 訪ぬる道に」 美智子様が詠まれた和歌466首が収められた歌集は、自然やご自身の御子様や背の君であらせられる陛下への想いが込められていた。中でもこの2首に特に心惹かれた。自分如きには到底読みこなせはしないが、歌人美智子様の魅力が溢れる歌集だと拝読いたしました。2025/02/08