内容説明
ドードー,ステラーカイギュウ,リョコウバト….近代以降,ヒトによる発見から驚くほど短期間で姿を消した動物たちの足跡を求め,著者は世界各地を訪ね歩いた.そこで耳にした,彼らの声なき声とは? 絶滅という現象を悲しみ,いなくなった彼らの「復活」を試みる我々ヒトとは何者なのか? 愛すべき動物と,ヒトの未来の物語.
目次
はじめに おしゃべりな絶滅動物
第一章 「絶滅」を知らない時代の絶滅――一八世紀,ステラーカイギュウ
コラム1 ステラーカイギュウは日本のカイギュウ?――日本で見る大型海牛類の進化
第二章 「人為の絶滅」の発見――一九世紀,ドードー,ソリテアからオオウミガラスへ
第三章 現代的な環境思想の勃興――二〇世紀,生きた激流リョコウバト
コラム2 リョコウバトと日本人画家と野口英世
第四章 絶滅できない!――二〇世紀,フクロオオカミ(タスマニアタイガー)
第五章 それでも絶滅は起きる――二一世紀,ヨウスコウカワイルカ(バイジー)
第六章 ドードーはよみがえるのか――二一世紀,「脱絶滅」を通して見えるも
終 章 絶滅動物は今も問いかける――「同じ船の仲間たち」と日本からの貢献
謝辞など
注
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
85
絶滅した動物について書かれた本。ステラーカイギュウという18世紀に絶滅したジュゴンの仲間、大きいのは10mくらいあったとされる。ドードーやリョコウバト、フクロオオカミ、ヨウスコウカワイルカの解説、これから絶滅を防ぎことは可能で意味のあることになるのか。絶滅に関わったのは人間であり。それを悼むのも人間であるという言葉が印象に残った。現代は第6の絶滅の時代と書かれていた。原因は人間である。現在年間で1万種の生物が絶滅しているそうだ。もう手遅れなのかな。そして絶滅が発表されると目撃が 多くなるという。図書館本2025/04/03
フク
11
〈絶滅を引き起こすのは人間で、それを悼むのも人間である〉 人間の影響により絶滅した動物たちを紹介する。 ケナガマンモスの脱滅滅によって地球温暖化の抑制になるという話は夢があるが道のりは遠そう。 〈They live forever by living at all〉 図書館2025/03/27
ひびキング
8
著者のドードーを巡る三部作の三作目。人為絶滅というが、人も自然の内だと考えればそうでも無い。少しずつではあるが人間も学習して何とかしようと努めている人もいて、過去の行いを批判する必要もないだろう。私はマンモス復活とか倫理的にも生理的にも気持ち悪いな、と感じる派なのだが、最終章の脱絶滅は非常に興味深かった。技術的なことと倫理的なことが分かりやすく示されていてスッキリ。三部作は相互に補完しあって、小説版の終盤の流れもまた違って感じられる。三部作では終わらないかもしれないですね。2025/04/03
Go Extreme
4
絶滅の原因と影響: 人為的要因ー狩猟や生息地の破壊が絶滅の主因 生態系への影響ー食物連鎖や生態バランスが崩れる 絶滅の再考: 遺伝子工学ー古代DNAを活用し、ゲノム編集で絶滅種に近い生物を作成 生態系の機能回復ー絶滅種の遺伝情報を現存種に導入し環境のバランス維持を試みる 環境思想の変化: 人間中心主義からの脱却ー人間が地球の支配者ではなく、共生すべき存在と認識 環境保護の重要性ー過去の絶滅の教訓を活かし環境保護活動が重要 過去の絶滅から学び→現代の環境保護活動へ2025/02/10
onepei
3
多くを語りかけてくる2025/05/18