内容説明
著者のロングセラーが待望の文庫化。「母の愛」という幻想に傷つけられてきた娘たちが、母娘問題を「解決」することはできるのか。文庫化に伴い、新章「解決方法はあるのか」を加筆し、三宅香帆氏による解説を新たに追加した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
39
備忘録:誰もが認めたくない事実をズバッと言われちゃっている恐怖。この本にはそんな恐ろしさがあります。「父の娘」であった著者による「母」考にひずみがある。そのことにも気づいている著者の隠さない態度と言葉には、頭が下がる。そして怖くなった。私は母が重いとは思わないが、それは長女でありながら親とほぼ没交渉だからだ。自分の無関心は、「重い」と愚痴るよりも冷酷な気がする。…澱みのない関係って難しい…。2026/01/27
aki
27
2008年に刊行されたものが16年を経て文庫化になったという今作。親子の関係、特に母娘の関係も昔に比べると友達感覚の間柄になり、側から見れば両者間に起こる問題も減っているように思えるけど、ここに挙げられている事例の数々から、母と娘という立場に潜む深層心理というのがよく見えてくる。仲が良いというのも裏を返せば共依存にもなり得るし、いかに母親の子への依存が大きいか、子の問題まで自分の問題として捉えてしまうかで、子供への負担、重圧が変わってくる。何にせよ、我関せずになりがちな父親を含めた距離感がそれぞれに大切。2025/04/15
ソーシャ
10
母娘問題の第一人者、信田さよ子先生がフェミニストカウンセリングの視点から、母が娘を支配する手練手管や実際の母・父・娘へのアプローチの方法を論じた一冊。冒頭の事例もすごいですが、実際のアプローチのところは著者の諦念を感じます。個人的にはここまでこじれる前にどうすればいいかについても論じてほしかったですが、それは自分で考えるべきかもしれません。あと三宅先生の解説ですが、現に情緒的な関わりが苦手で子どもと関係がこじれている方はおられるんですよね…2025/05/11
Ayana
8
母性愛なんてものは存在しない。国家のために作り上げられた通俗道徳の一つにすぎない。が、「母の愛」という幻想は私たちの骨の髄にまで染み渡ってしまった。幻想を内面化し、「母」以外の何者でもなくなってしまった彼女たちは、子にとっては重たくてたまらない存在だ。本書の体験談では恐ろしい母たちの姿が見られる。だが、著者は問題の主役は存在の欠落した父であるとして、その罪を追及する。本書の解説で三宅香帆がその点を高く評価している。当事者に向けて書かれた処方箋が良かった。母も子も、お互いのために生きているわけではないのだ。2025/11/26
きいろ
4
私とは世代が違い(ゆとり世代)、父親もいないため、直接的に自分の苦しみと重なる部分は少なかった。しかし、こうした事例があることを知れたのは良かった。2025/03/12
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