岩波新書<br> 非暴力主義の誕生 - 武器を捨てた宗教改革

個数:1
紙書籍版価格
¥1,034
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

岩波新書
非暴力主義の誕生 - 武器を捨てた宗教改革

  • 著者名:踊共二【著】
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • 岩波書店(2025/01発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004320494

ファイル: /

内容説明

一五二五年,宗教改革の渦中,幼児洗礼を拒むキリスト教の一派が誕生した.異端として迫害されながらも聖書の教えを守り,非暴力を貫いた彼らの信仰は,戦争の止まない現代に生きる私たちに何を語りかけるのか.メノナイト,アーミッシュ,良心的兵役拒否,被爆者の日米交流まで,五〇〇年にわたる愛敵と赦しの軌跡を辿る.

目次

はじめに――再洗礼派というマイノリティ
第1章 複数の宗教改革
1 中世までのキリスト教
2 ルターとドイツ宗教改革
3 ツヴィングリとスイス宗教改革
4 再洗礼派の誕生
第2章 迫害と離散――ヨーロッパの片隅で
1 二一世紀のウクライナ
2 迫害・殉教・ノンレジスタンス
3 ザトラーの殉教
4 愛敵と赦しの精神
5 兵士の改宗と亡命
第3章 追跡する国家
1 ベルンの再洗礼派狩り
2 アルザス移民とアーミッシュの誕生
3 クライヒガウの定住地
4 集団追放の試練
第4章 新天地アメリカ
1 ドイツ人のメイフラワー
2 アーミッシュの定住
3 ノースキルの悲劇
4 アメリカ独立戦争
第5章 近代国家と徴兵制
1 「先進国」フランス
2 軍国化するドイツ
3 スイスとオランダの変化
4 南北戦争によるアメリカの分断
第6章 両大戦の試練
1 ドイツ・メノナイトとナショナリズム
2 ロシア・メノナイトの苦難
3 アメリカの代替役務制度
第7章 核の時代の非暴力主義
1 ある被爆者の訪米とメノナイト宣教師の来日
2 国際化する人道支援事業
3 良心的兵役拒否の合法化
4 ノンレジスタンスの代償
5 ガザに平和を
終章 ノンレジスタンスの限界と可能性
1 イエスは抵抗を教えたか
2 古今東西の平和思想・戦争論
3 ノンレジスタンスの限界と可能性
あとがき
図版出典
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たま

69
ルター後のプロテスタント諸派の中で特に再洗礼派-メノナイトとアーミッシュの非暴力主義に焦点を当てる。ガンディーらの非暴力抗議運動とは異なり、理不尽な暴力を前にしても抵抗もしないのだが、歴史的に敵視され迫害されてきた※。ウクライナ戦争が始まった時、ウクライナは戦わずに降伏しろと言う意見をネットで散見したことを思い出す。戦争は誰でも嫌だが、戦争を防ぐために何をすればよいか。戦争になってしまった時どうするか。アーミッシュと言えば19世紀の服装をして馬車に乗っている人たちと思うが、彼らが提起する問題は今日的。 2025/04/23

skunk_c

66
ルターの宗教改革の頃、その聖書主義を徹底していく中、山上の垂訓を徹底する宗派が出現、それが大きく「再洗礼派」で括られるプロテスタントの一派で、本書はその出現といわゆる少数派としての苦難の歴史を丹念に解きほぐしている。元々はドイツやスイス、オランダに多かったが、特に徴兵制との兼ね合いもあり、アメリカに移住、メノナイトやアーミッシュとして、ある程度の幅を持ちながらも、そのノンレジスタンスと赦しの信仰を保ち続けているという。ガンディーやM.L.キングとの関連、さらには日本との関わりを含め論じているのが意義深い。2025/02/12

sk

4
ニッチな歴史。とても良かった。2025/02/12

mionne

1
アーミッシュとメソジストの違いが理解できた。事例であげられているようなことがあっても報復せずにここまで徹底している信仰はすごい。ただ、デュカキスが落選したようにすべての人がそうなる事は難しいと思う2025/07/20

中村禎史

1
キリスト教の中での少数派:再洗礼派の、主に17世紀以降の歴史と、彼らの持つ非暴力・無抵抗の思想を、メノナイト及びアーミッシュと呼ばれた人々を中心に紹介する。驚くのはこれらの人々の実際の行動で、殺される局面にあっても無抵抗であり、更に神がそれら敵対者を赦すことを願う点。そうした事例が近世・近現代のヨーロッパからアメリカに至るまで数多く存在する。この「敵を愛する」姿勢が人々にしっかりと定着する信じ難い世界。現代のウクライナやガザでの彼らの活動にも言及。宗教・信仰の持つ力について考えさせられた。2025/07/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22397086
  • ご注意事項

最近チェックした商品