内容説明
辻原志織は34歳、愛する夫・誠太は不妊治療にも協力的だ。しかし突然、誠太が失踪――残された手紙には志織への懺悔が綴られていた。最愛の人を得るために、あなたならどうしますか?どこまで許せますか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
24
大人の恋愛小説大賞作品。恋愛と結婚は違うのかもしれない。作品前半では「そりゃ違うよな」と思わせ、後半からエンディングではその思いを見事にひっくり返させる、一風変わった、でも王道な恋愛小説。それにしても夫良い人すぎないか、、、2025/08/11
エドワード
23
「破・序・急」の流れで進む構成がドラマティックだ。辻原誠太と志織(旧姓高野)夫婦は子供に恵まれず不妊治療に通う日々。治療の細かい描写が、二人の辛さ、一喜一憂、お互いを思う気持ちが心にしみる。なぜ妊娠できないのか?「相性ですね」医師が無味乾燥に答えた言葉に心を痛めた誠太は、「他の人と幸せになってください」と離婚届を残して消える。続いて描かれる、居酒屋のバイトで知り合った二人の青春。ドキドキの日々も繊細に描かれ、希望に輝く。どうして幸せな二人が別れねばならないのか。最終章、「求めよ、さらば」に続く言葉は…。2025/02/22
よっち
23
なかなか子供ができない以外は安定していた夫婦生活を送っていた翻訳家の辻井志織。しかしそんな生活が些細なきっかけにより根底から覆されてしまう物語。寡黙だが優しく家事や不妊治療にも協力的で、友人にも絶賛される夫・誠太のSNSに送られた衝撃的な投稿を見てしまう志織。その二週間後、離婚届を置いて突然失踪してしまう誠太。気がついてみれば夫のことを何も知らないことに愕然として、改めて認識してゆく志織の夫に対する思いがあって、さらけ出した本音でぶつかり合ったからこそ見えてきた希望が感じられる結末には救われる思いでした。2025/01/26
promenade
6
主人公夫婦は安定した幸せな日々を送っているも子供ができず不妊治療に期待し頑張っていて旦那さんは献身的に奥さんを支えていましたがある日突然置き手紙を残していなくなってしまう話。ラストはこの2人なりのハッピーエンドになってよかった。こんな夫婦関係なら結婚生活もいいなと思えました。最愛の相手をどこまで信じて許せるのか?第2回「本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞」受賞作。 2025/06/03
はるな
5
一日で読めるほど夢中になって、誠太の心情や行動を嫌う人もいるかもしれないけど、大人になった今ならわかる!こういう人と出会って結婚したかった。 不妊治療中の夫婦時代も、学生時代の2人も大好きになりました。今年のトップ10に入ると思う作品! 奥田亜希子さんの他の作品も読みたいです!オススメあったら教えてください!2025/04/05