内容説明
辻原志織は34歳、愛する夫・誠太は不妊治療にも協力的だ。しかし突然、誠太が失踪――残された手紙には志織への懺悔が綴られていた。最愛の人を得るために、あなたならどうしますか?どこまで許せますか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
だーい
44
志織と誠太の視点で物語が進んでいく。不妊治療って両者に問題がないこともあるのかと初めて知った。原因がない中での志織の苦しさが読んでいても辛かった。友達に子供が出来たと聞いた時の狂うほどの嫉妬は実際に知人が話していたのでリアルな感情なんだと思う。一転して2章では誠太の視点から描かれる。誠太が惚れ薬を使うところは極端な設定だが、好きな人と結ばれたくて歪にものを考えてしまうところは共感。だけどこの2人絶対両想いだよなとは割と最初の方から感じていた。自分の想いはぶざまでも直接伝えなきゃと思う良いラストだった。2025/11/09
のんちゃん
27
志織と誠太はバイト先で知り合い夫婦になって7年。今、妊活中だがなかなかうまく行かない。そんな中、誠太が突然、失踪してしまう。結婚前志織に惚れ薬を飲ませたと書き置きを残して。帯には惚れ薬の事が大々的に書かれているが作品の中身ではそれはほんの少しの要素であり、大方は夫婦間の愛情について考察するお話。相手を信頼し許容する事、あなたはどの位それが出来ますか?と言う問い。奥田作品ならではの巧みな心理風景描写も満載だ。本屋が選ぶ大人の恋愛小説大賞受賞作。また素敵な奥田作品に出会えた。さぁ、次はどの奥田作品を読もうか。2025/08/27
エドワード
27
「破・序・急」の流れで進む構成がドラマティックだ。辻原誠太と志織(旧姓高野)夫婦は子供に恵まれず不妊治療に通う日々。治療の細かい描写が、二人の辛さ、一喜一憂、お互いを思う気持ちが心にしみる。なぜ妊娠できないのか?「相性ですね」医師が無味乾燥に答えた言葉に心を痛めた誠太は、「他の人と幸せになってください」と離婚届を残して消える。続いて描かれる、居酒屋のバイトで知り合った二人の青春。ドキドキの日々も繊細に描かれ、希望に輝く。どうして幸せな二人が別れねばならないのか。最終章、「求めよ、さらば」に続く言葉は…。2025/02/22
おいしゃん
25
大人の恋愛小説大賞作品。恋愛と結婚は違うのかもしれない。作品前半では「そりゃ違うよな」と思わせ、後半からエンディングではその思いを見事にひっくり返させる、一風変わった、でも王道な恋愛小説。それにしても夫良い人すぎないか、、、2025/08/11
よっち
25
なかなか子供ができない以外は安定していた夫婦生活を送っていた翻訳家の辻井志織。しかしそんな生活が些細なきっかけにより根底から覆されてしまう物語。寡黙だが優しく家事や不妊治療にも協力的で、友人にも絶賛される夫・誠太のSNSに送られた衝撃的な投稿を見てしまう志織。その二週間後、離婚届を置いて突然失踪してしまう誠太。気がついてみれば夫のことを何も知らないことに愕然として、改めて認識してゆく志織の夫に対する思いがあって、さらけ出した本音でぶつかり合ったからこそ見えてきた希望が感じられる結末には救われる思いでした。2025/01/26
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