内容説明
「何かが近くにいるのがおわかりでしょう、キャプテン・ベイン」
アメリカ保守運動の「ゴッドファーザー」ラッセル・カークは〈闇が立ちこめた世界にふさわしいゴシック調の物語〉のベストセラー作家でもあった!荒廃した街に、古びた屋敷のなかに、不気味な幽鬼があらわれる。おびえる女、たたかう男。恐怖とロマンが織りなす傑作6編を、澤村修治の名で多くの文芸書・学術書の著者でもある横手拓治が初邦訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
qoop
4
広島・長崎への原爆投下を痛烈に批判した保守主義者として知られる著者の幽霊譚アンソロジー。思想との兼ね合いで評するのが妥当とは思うものの、ゴシックな展開に終始しながら類話から踏み出すモダンさというか、恐怖しつつも情緒に寄り切らない現実への感覚が印象に残る。2024/07/09
hiruhan
2
紙媒体で読む。「イザヤおじさん」「呪われた館」「弔いの鐘」「リトルエジプトの地下室」「影を求めて」「ロストレイク」、そして解説の「闇はわれわれのものだ」が収録されている。最後は著者の略歴などを教えてくれるもので、フィクションとしては5つ、最後の「ロストレイク」だけ実録ものという感じなのかな。「リトルエジプト~」と「イザヤおじさん」がまあまあと言えるかな。ゴーストストーリーを期待したら肩透かしをくらったような気持ち。うーん…2025/07/25